中国は14億人の人口をベースにした巨大な市場を抱えている。1年間に世界で生産される半導体の60%が中国で消費される。大抵の市場では、現地に住む側が「甲」で、売る側が「乙」だ。中国は何としてでも米国に反撃するはずだ。
日本には素材がある。昨年1年間、韓国を苦しめた半導体の3大素材を見れば分かる。はた目には非常に基礎的な化学物質のようだが、超高純度のフッ化水素などは日本以外で製造している国はない。
韓国には量産技術がある。製造装置と素材を購入し、ライバル企業より大幅に安い価格で、かつ圧倒的に低い不良率で半導体を供給する。世界の半導体メモリの75%を韓国の工場が供給している。
最終製品を製造している韓国にはアキレス腱がある。毎年、数十兆ウォンを投じなければならない。投資の時期が市場の需要とずれれば天文学的な赤字が出る。すでに財閥数社が半導体で失敗した。
短期的には、ファーウェイに対するトランプ政権の圧力はサムスン電子など韓国企業に有利に働くはずだ。サムスン電子は、スマートフォン市場で同社をぴたりと追撃していたファーウェイを締め出すチャンスをつかみ、相対的に競争力の低かった通信設備を米国1位の通信事業者に輸出することに成功した。
しかし、サムスン電子は最近、喜ぶどころかにわかに緊張しているという。なぜだろうか。毒気を含んだ中国の執ような反撃を恐れているのだ。ファーウェイのスマートフォンが失速しても、シャオミ、OPPOなどがその空白を埋める可能性が高い。中国は、韓国が2-3年は先行している半導体メモリでも、歯を食いしばって追撃に出るだろう。中国政府はその気になればサムスン電子、SKハイニックスの中国工場の中心的な労働者を引き抜くこともできる。成長の可能性がある中国の半導体企業を数社選び、R&D投資を10倍、20倍に増やす可能性もある。中国の半導体メモリが韓国製品のレベルに肉薄すれば、過去20年間にわたって平和だったグローバル供給網の再編が韓国企業に巨大な危機となって襲い掛かる可能性がある。一寸先は闇の時代だ。居眠りすれば死んでしまう。
チョン・ソンジン産業第2部長