家族の問題で一大事となっている康京和長官だが、仕事の面でも「落第レベル」との評価を免れられない状況にある。対北朝鮮交渉の全面中断、韓日対立の固着化、韓米防衛費分担金交渉決裂、海外公館長のパワハラをはじめとする相次ぐ不正問題など、大小の問題が浮き彫りになっているが、解決の兆しが見えていない。
さらに悪いことに、ポンペオ米国務長官の訪韓が取りやめとなり、康京和長官はさらに窮地に追い込まれている。外交部はプレスリリースを通じて韓米外相会談開催(8日、ソウル)を大々的に宣伝していた。ところが、その三日後に米国側から「訪日日程は予定通りだが、訪韓は取りやめる」という通知が来た。韓国政府は「トランプ米大統領が新型コロナウイルスに感染したためだ」と説明したが、外交関係者の間では「米国が重点的に推進している『4カ国外相会合』などの対中政策に、韓国政府が何度もあいまいな、あるいは否定的な態度を見せていたことが訪韓取りやめにつながった」という声が上がっている。
懸案事項に対応する際の康京和長官の姿勢も問題になっている。同長官は配偶者の「コロナ外遊」問題が国民の怒りを買っているのにもかかわらず、しばらく沈黙していた。だが、批判の声が高まったため、4日になって非公開の外交部臨時幹部会議で「恐縮している」と言った。同長官は韓国人外交官によるニュージーランド人男性に対するわいせつ行為・セクハラ(性的嫌がらせ)問題が浮上した時も、「恐縮している」と言ったが、いまだに解決していない。外交関係者からは「康京和長官は『恐縮している』という言葉をいったい何回言うのか」という言葉も出ている。