だが裁判部は「就任当初から毎日(コメント活動の)結果報告書を受け取っていた」と、金・元国防相の関与を認めた。ただし、サイバー司令部政治関与疑惑の捜査を妨害した職権乱用については一部無罪を認め、減刑した。また裁判部は、実刑を言い渡しつつも法廷拘束はしなかった。
判決言い渡しの直後、所感を尋ねられた金・元国防相は「判決を受けたので、権威を認めるほかない」としつつも「現在の安全保障の状況について、『燕雀(えんじゃく)処堂』だという所懐を抱く」と語った。ツバメとスズメが軒の下に巣を構え、安楽に過ごす中で警戒心を失い、家から火が出ても危険を察知できない、という意味の四字熟語だ。金・元国防相側の関係者は「最近の安全保障の危機的状況について危機を認識できず、分別のない対処をしているという意味」と伝えた。
「北朝鮮が最も恐れる軍人」に挙げられる金・元国防相は、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権で韓国軍の合同参謀本部議長、李明博政権で国防部(省に相当)の長官、朴槿恵(パク・クンへ)政権で国家安保室長を務めた。長官就任直後の「現場では撃つか撃たないか迷わず、先に措置して後で報告せよ」という指示は、いまだに広く語られている。