【萬物相】中国に立ち向かう「民主主義ワイン」

 今年に入って中国発のコロナが流行すると、オーストラリアはウイルスの起源を調査すべきだと主張した。中国の香港・ウイグル弾圧を批判し、ファーウェイ(華為技術)の5G事業も不許可とした。そうして同盟国の米国が主導する地域安全保障協力体「クアッド」(米・日・印・豪)に参加した。すると中国は、韓国のTHAAD(高高度防衛ミサイル)問題のときのように、オーストラリアの経済依存度を報復カードとして利用した。ほとんどが中国に輸出されているオーストラリア産オオムギには80%の関税をかけ、豚肉・石炭・木材などにもかせをはめた。さらには、オーストラリア産ワインまで輸入を断った。

 すると世界各地で「オーストラリア産ワインを飲む」キャンペーンが起こっている-と外信各社は伝えた。米国ホワイトハウスや19カ国の議員の集まりなどが賛同した。英国メディアはオーストラリア・ワインを、中国に立ち向かう「民主主義ワイン」と表現した。中国がノルウェーにサーモンで、日本にレアアースで、韓国に観光禁止などで報復したときには見られなかった光景だ。中国の暴力に対し、民主主義諸国が連帯し始めた。

 オーストラリアは今、過度の対中依存が災厄を呼んだと切に感じている。すぐには難しくとも、経済だけを見て中国に屈従しては、その影響圏から抜け出し難いと判断した。そこで同盟国と手を握り、外交の原則を守ろうとしているのだ。オーストラリアの首相は「カネのために主権や民主主義で妥協はしないだろう」と語った。人ごとではない。オーストラリア・ワインを1本買いたい。

アン・ヨンヒョン論説委員

■「アジア・パワー指数」1位は米国、韓国7位…中国は?

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