【コラム】「K防疫」への過信が招いたワクチン確保不信

 なぜこうした差が生じたのか。K防疫に対する過信による慢心のせいだ。コロナ流行初期から医療界はワクチンの開発と確保を急ぐべきだと勧告していたが、政府はそれを無視した。「防疫一等国」だと自画自賛し、K防疫の宣伝には余念がなかった。中国は21年、ファイザー製ワクチン1億回分を購入する契約を最近結んだ。現在第3相臨床試験中の中国のワクチン候補5種を含め、21年には年間生産量が16億回分を超えると予想される状況で外国製ワクチンにまで手を伸ばした。

 韓国の丁世均(チョン・セギュン)首相は12月20日、「ワクチンタスクフォースを稼働した7月には国内の確定患者数が100人前後で、ワクチン依存度を高めることを考えなかった側面がある」と述べた。「なぜ韓国人はコロナワクチンの接種を受けられないのか」という批判が強まってようやく政府のワクチン確保遅延の責任を認めるような発言を行った。

 シンガポールのリー・シェンロン首相はワクチンが安全だと国民を安心させるため、自身からワクチン接種を受けると表明した。そして、「ワクチンのおかげでトンネルの出口の光が見えた」とも述べた。ワクチン接種でウイルスの拡散を防げば、経済回復を前倒しできる。世界の政治・経済リーダーがスイスのダボスに集まって開いていた世界経済フォーラムは今年、シンガポールで開かれる。シンガポールに対する外部の信頼と同国の自身感が端的に表れている。

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領も12月9日、「コロナの長いトンネルの出口はもうすぐだ」と述べた。早く長いトンネルの出口の光を目にしたいものだ。

北京=キム・ナムヒ特派員

■「新型コロナに対する不安」韓国が世界14カ国で1位

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