これらの文献が作成された2017年12月から2018年6月までの期間は、文在寅(ムン・ジェイン)政権がまさに脱原発政策を公式化した時期に当たる。韓国政府は2017年10月に脱原発ロードマップ、同年12月には第8次電力需給基本計画を発表した。当時作成された動向報告書で言及があった諸団体と韓国水力原子力(韓水原)労組は、原発輸出への支障など原発産業に及ぼす影響を懸念して脱原発政策に強く反対していた人々だ。韓水原労組の関係者は「産業部が2017年末から、青瓦台(韓国大統領府)の基調に合わせて原発関連団体の動向情報を集めて把握していたらしい」と語った。
これらの動向報告書は2019年12月1日、監査院の本格監査を前に、産業部のキム元事務官が同部原電産業政策課オフィスで530件の各種ファイルを消去する過程で一緒に削除された。検察は、デジタル・フォレンシック(デジタル鑑識)や関係者の取り調べなどを通して内容の把握を試みているという。
法曹関係者は「国家情報院(韓国の情報機関)や国軍機務司令部(韓国軍の情報部隊)のセウォル号遺族動向報告文書に適用された論理からすると、産業部の動向報告書も民間に対する査察に該当し得る」と語った。検察のセウォル号惨事特別捜査団は今月19日、セウォル号遺族動向報告文書について、嫌疑なしの結論を下した。だが「4・16セウォル号惨事特別調査委員会」などは依然として「査察に当たる」と主張している。