そのため、通常では大学入試の直後や祝日連休に集中していた整形シーズンに、大幅なズレが生じている。会社の内定をもらったユさん(24)は、昨年10月に目の整形をした。整形のオフシーズンにもかかわらず、予約から手術まで10日も待たなければならなかった。ユさんが訪れたソウル市江南区の有名な2カ所の整形外科では、平日午後2時であるにもかかわらず10人余りが相談のため待機中だった。ユさんは「コロナのため人と会えない隙を狙って整形しようとする人は、私だけではないようだ」と話す。マスクの着用が必須となり、歯科手術を受ける人も増えている。昨年9月から矯正を始めた大学生のキムさん(21)は「マスクを付けると口が見えなくなるので、矯正したかどうかも分からない」と笑みを浮かべる。
整形外科の売り上げも伸びている。ハナ金融研究所が12月16日に発表した「コロナ禍がもたらす消費パターンの変化Ⅱ」と題する研究によると、昨年1-10月の美容整形外科の売り上げは前年同期に比べ10%増となった。中国人らを主要客としていた整形医療観光が影を潜めたものの、売り上げは伸びている。
専門家らは「社会的距離を置くことで、正常な社会生活が困難になったが、これに対する補償心理が加わって現れた消費パターン」と説明する。仁荷大学消費者児童学科のイ・ウンヒ教授は「コロナ19の拡散で社会活動が減り、比較的容易に整形や手術を行えるようになったと思う人が増えるようになった上、剥奪された社会生活に対する補償心理が加わったものとみられる」と分析した。