加害者は全員消え、被害者だけが残り、2次加害が図を超えている。「ソウル市庁の6階の人々」は「4年にわたる(朴前市長の)性暴力という主張は真実味を疑わざるを得ない」と言った。親文系市民団体は被害者を殺人罪で告発するという。「被害者は朴前市長を死なせようとわざと告訴した殺人者だ」という不合理な主張だった。被害者と家族は「どうか2次加害をやめてほしい」と絶叫したが、無駄だった。
青瓦台と与党も2次加害に加担した。文大統領自身が党代表を務めていた時に作成した党憲を同党は破ったし、所属自治体トップの性犯罪により行われることになったソウル市長・釜山市長補欠選挙に候補者を出した。もし、共に民主党がソウル市長選挙で勝利するようなことがあれば、それ以上に被害者を踏みにじることはないだろう。朴前市長が自殺すると、共に民主党は「あなた様の志を忘れません」というプラカードをソウル全域に掲げた。同党の女性議員たちは被害者を「被害呼訴人(被害があったと主張している人)」という奇怪な単語で呼んだ。この先頭に立った議員3人は共に民主党ソウル市長選候補の共同選対本部長や広報を務めている。被害者は「『被害呼訴人』という言葉で歪曲(わいきょく)し、『あなた様の志を忘れません』という言葉で私を圧倒した」と言った。加害者側がうなり声を上げ、被害者は息を殺して暮らさなければならないといのは、朴元淳前市長のセクハラに限ったことだろうか。過ちを犯した人々が頭をもたげて怒るという居直りは4年間ずっと繰り返されている。