日本製ジーンズ、50年で元祖米国と張り合うまで

 「アメトラ」とは、「アメリカン・トラディショナル」の略語だ。本書は、米国のファッションが日本に輸入され、各種の紆余(うよ)曲折を経つつ耐え抜き、逆輸出されて「元祖」と張り合うまでの過程を追った。

 1960年代の日本の若者にとって、「アメリカン・スタイル」は「自由」の象徴だったが、上の世代はこれを「改革」の対象と見なした。東京五輪開幕まで残り1カ月を切った1964年9月12日の夜、東京。私服警官およそ10人が銀座の通りで、米国アイビーリーグの大学生のようなボタンダウンシャツにチノパンという「アイビールック」をして髪を七三に分ける「ジョン・F・ケネディ・カット」スタイルの、10代の若者およそ200人を逮捕した。若者たちは放課後、金色のボタンが付いた黒の「学ラン」を脱ぎ捨て、米国式の服を着て解放感を満喫していたが、当局は奇妙な服装をしたこの「反抗児」たちの姿を、銀座を訪れる外国の客に見られたくなかったのだ。

 ファッションについてあまり知らなくても、文化史的側面から興味深く読むことができる一冊。日本文化の研究者である著者はハーバード大学で東アジア学を勉強し、慶応大学でマーケティングおよび消費者行動学の修士号を取った。日本題は『AMETORA 日本がアメリカンスタイルを救った物語』。384ページ、2万ウォン(約1900円)。

クァク・アラム記者

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