「私ってこんな顔なの?」 コロナで100兆ウォン台に成長した世界の美容整形市場

「2028年まで年平均10%ずつ成長」
リモート勤務拡大でビデオ会議が日常に
患者の86%「画面に映る自分の顔に不満」

 昨年の美容整形手術の世界市場規模が862億ドル(約9兆5000億円)に達し、2028年まで年平均10%ずつ成長するとの統計が示された。ドイツの公営放送、ドイチェ・ウェレが12日(現地時間)、報じた。コロナ禍で非対面でのリモート勤務が急増する一方、オンライン会議などのプラットフォームを通じて自分の容姿を再確認した人たちが美容外科に殺到しているというわけだ。

■韓国人女性がよく整形する部位は?

 世界的な市場調査企業、グランドビューリサーチによると、新型コロナウイルスの大流行によってオフィスへの出勤など外部活動が制限された2020年、米国の皮膚科の60%が「コロナ以前に比べて施術の相談が急増した」と答えた。欧州の盟主ドイツの場合、医療機関がコロナ対応に集中したため全体的な施術需要は減少したものの、顔のボトックスやフィラー(注入治療)など顔面美容整形手術は3.4%増加した。

 ドイチェ・ウェレは、ズーム(Zoom)やグーグルデュオなどのプラットフォームを利用したリモート勤務の急増が、美容整形業界の需要をけん引したと分析した。これまでは、鏡を見るとき以外に自分の顔を見る場合、写真をアプリなどで加工した理想的な顔を見ていたわけだが、リモート勤務のプラットフォームでは加工なしの自分の素顔と向き合うことになるからだ。

 ドイツのボン市で美容整形外科を運営するダニエル・シャトラー氏はこのような現象が「ズーム・ブーム(Zoom Boom)」と呼ばれていると指摘した。同氏は「ホワイトカラー労働者のほとんどがビデオ会議プラットフォームを利用し、カメラの前でありのままの自分の顔を見るようになった」として「業務でズーム会議を使うのは、事実上8時間ずっと鏡を見ているのと同じ」と話した。

 米国のある美容皮膚科専門団体が先月発刊した学術誌によると、新型コロナの感染拡大以降、容姿に不満を訴える患者が急増し、このうち86%が「ビデオ会議のせい」と答えたことが分かった。この学術誌は「数時間にわたり画面で自分の顔を見続け、他の人の目に自分がどう映るのかを悟り、顔の美容整形をしたがる人がほとんどだ」と指摘した。

 ドイツの美観整形外科協会の会長を務めるシュテファン・ハントシュタイン博士はドイチェ・ウェレに対し「コロナの流行前、オフィスで働いていたときには、自分の顔を見続ける機会がほとんどなかった」として「リモート勤務が拡大し、写真加工アプリや補正可能なフィルターを通さず他人の目になって自分に接した人たちが、切開を最小限に抑える小規模な顔の施術を受けるために、通院し続けている」と話した。

 欧州では、しわの除去やあごのラインを整えるボトックス、唇を大きくするフィラー、頬や首のたるみを引き上げるリフティング施術、二重あごを改善する治療の需要がどれも高まったことが分かった。特に、在宅勤務が可能でマスク着用が義務づけられていることから、以前より回復期間を気にしなくてもよいという利点もある。さらに、外出制限によって外食や旅行などの支出が減ったため、その分の現金を美容整形に回すというケースも増えたとドイチェ・ウェレは報じた。

イ・スルギ記者
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
あわせて読みたい