ヨハネスブルクでは暴徒らが市内の中心部にバリケードを設置し、バスや鉄道などの公共交通機関の運行も一部で中断している。会社や事業場などの多くで業務ができなくなり、現地では経済活動も事実上ストップ状態にあるようだ。南アフリカ共和国国防省はこの日声明を出し「騒乱事態を鎮圧するためハウテン州とクワズールーナタール州に兵力を配備した」と発表した。
今回の暴動でクワズールーナタール州の港湾都市ダーバンの工業団地にあるLG電子の工場でも大きな被害が発生した。南アフリカ共和国駐在の韓国大使館はホームページを通じ、この日深夜1時に正体不明の90人が工場内に入り込んで商品などを略奪し、深夜2時には120人が再び侵入したと伝えた。暴徒は家電製品や複数の機械、さらに資材なども盗んでいったという。LG電子によると、この日午後には放火によって工場と倉庫で火災が発生した。現地のニュース映像を確認したところ、LG電子の工場は炎と黒い煙に覆われていた。2011年に建設され現在およそ100人が勤務するこの工場ではテレビやモニターなどを製造している。LG電子は「人命被害はなかったものの、数十億ウォン(数億円)規模の被害が発生した」と明らかにした。南アフリカ共和国駐在の韓国大使館は現地在住の韓国人に「無用な外出はできるだけ控え、身の安全に特に注意してほしい」と呼び掛けている。韓国外交部(省に相当)によると、南アフリカ共和国には約3300人の韓国人が居住しているという。