【コラム】日本の台湾海峡恐怖症

石油・天然ガスが入り、輸出品が出ていく日本経済の大動脈
麻生太郎副総理「中国、台湾攻撃する集団的自衛権行使して米国と共同防衛」

■日本経済の生命線

 下の地図を見ればお分かりだと思いますが、台湾海峡は日本にとって命綱のような所です。韓国と同様、資源が絶対的に不足している日本は、中東の石油や天然ガスに大きく依存しています。この石油と天然ガスが入ってくる経路がまさに台湾南部のルソン海峡なのです。

 また、この経路を通じて日本の自動車・電子製品などが海外に輸出されます。日本の大企業の多くが東南アジア諸国に部品のサプライチェーンを設けていますがが、こうした部品もこの経路を通じて入ってきます。

 もし中国が台湾を武力で統一し、この一帯の制海権を掌握したら、日本経済は中国の人質になるかもしれません。この海域を避け、フィリピン南部を経由すれば、物流費が約25%増えると言われています。

■アジアの覇権競争の勝負どころ

 2006年に中国共産党中央組織部から発表された論文を読むと、米国が第二次世界大戦末期の1945年初め、日本本土の抗戦意志をそぐため、香港沖や台湾海峡などから戦略物資を積んで本土に向かう日本船48隻を攻撃し、沈没させた事実が記載されていました。

 台湾を統一すれば、中・日間のアジア覇権競争は事実上、勝負がつくでしょう。中国としては返さなければならない借りもあります。1895年の日清戦争で敗けて結んだ下関条約により、台湾を日本に割譲しなければならなかったことです。

 対中貿易依存度が20%に達する日本が、中・日関係が暗礁に乗り上げるのを覚悟して台湾防衛の意志を表明したのは、中国による台湾攻撃の可能性がこれまで以上に高まっているからです。中国の習近平主席は7月1日の中国共産党創設100周年記念式典であらためて台湾統一の意志をはっきりと述べました。

 しかし、米日連合軍の軍事力は強大で、既にこのような状況に備えた合同作戦計画もほぼ立て終わっていると言います。台湾海峡をめぐる一触即発の戦雲はいっそう垂れ込めています。

崔有植(チェ・ユシク)北東アジア研究所長

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