しかし後半になると体力が一気に落ち結果は惨敗。それには理由がある。ラグビーの韓国代表は昨年コロナ渦の影響で練習を行うグラウンドが全て閉鎖され、また5人以上集まることも禁止となり10カ月以上にわたりチームとして全く練習ができず、各自が自分でトレーニングをするしかなかった。選手たちは実業団チームに所属しているため午前9時から午後6時までは職場で働いている。そのため彼らが練習できるのは出勤前の早朝か仕事が終わった後の夜。それもせいぜいエアロバイクでトレーニングをするくらいしかできなかった。しかも東京オリンピックが取り消しになるとのニュースも何度も報じられたことから、毎日ネットで「オリンピック取り消し」を検索しながら一日をスタートする不安な日々を過ごした。奇跡のように手にしたオリンピック参加の切符が水の泡にならないか焦る日々が続いた。今年になってやっと鎮川選手村にメンバーが集まり体づくりを始めたが、それでも埋めることのできない1年の空白はオリンピック本番の後半になって現れ始めた。さらにキャプテンのパク・ワンヨンとチャン・ヨンフンがイエローカードで2分の退場が命じられ、大量失点を許してしまった。試合が終わると電光掲示板のスコアは5-50となっていた。
韓国はこの日の午後に行われたオーストラリアとの予選リーグ第2戦でも5-42で敗れた。0-28でリードを許した後半2分21秒、帰化選手のアンドレ・チンがトライを奪い5点を獲得した。韓国代表は完封負けだけは受け入れられなかった。選手たちは心臓が破裂するかのような興奮した面持ちで「東京オリンピックで全てをささげなければ韓国ラグビーに未来はないという切迫した思いで走った。最後まで最善を尽くすのでたくさんの声援を送ってほしい」と口をそろえた。
韓国代表は27日午前10時からアルゼンチンと予選リーグA組の最終試合に臨み、28日には順位決定戦に出場する。今回のオリンピックには12カ国が出場しているが、最下位だけは絶対に避けたいという覚悟で選手たちは燃えている。四方から取り囲まれても絶対に突破する男たちがこう言った。「韓日戦が実現すれば、その試合だけは絶対に勝ちます。ぜひ見守ってください」と。