競技後、一等兵・禹相赫は涙ぐみながら笑った。「正直言って、今、本当に夢みたいです。記録を1センチメートル上げるのに一生かかることもあるのに、私は五輪で自分の記録よりも4センチメートルも高く跳びました。メダルはありませんが、後悔せずに自分のすべてが出し切れて本当にうれしいです。走り高跳び選手は自分の身長よりも50センチメートル上の高さが『魔の壁』です。私の生涯の目標は2メートル38です。2024年パリ五輪では優勝を目指して挑戦します」。
禹相赫は右足の方が左足より1センチメートル短い。8歳の時に自動車の車輪で右足をひかれる大きな事故に遭った。このためしばらくの間、右足の成長が止まった。跳躍時にバランスが取れず、平衡感覚をつかむのに大変な苦労を経験した。しかし、たゆまぬ努力で弱点をなくしてきた。
走り高跳びの金メダルは2選手が分け合った。世界選手権2連覇(2017年・2019年)のムタズエサ・バルシム(30)=カタール=とジャンマルコ・タンベリ(29)=イタリア=が2メートル37に成功、試技数も同じで2人で金メダルを手にした。