新型コロナ発生説をごまかすため? 中国、米を念頭に「731部隊」人体実験文書公開

「米国は日本の731部隊の責任者たちを赦免して得た情報で生物兵器研究」

 中国当局が「第二次世界大戦時に日本軍が中国で細菌戦の実験をした」という日本軍部隊責任者の陳述書を公開した。典型的な反日メッセージのようだが、実は最近の新型コロナウイルス感染症発生責任論と関連し、「新型コロナは中国・武漢研究所から始まった」という見方から目をそらさせ、米国に責任を負わせるための高度な宣伝だと評されている。

■自国で報道されたニュースを信頼できますか? 韓国は最下位、日本は?

 中国・新華社通信は15日、「中国黒竜江省ハルビンの『731犯罪証拠展示館』が日本軍の生物戦部隊・731部隊の隊長を務めた北野政次軍医中将の陳述書写本を公開した」と報道した。この文書は、日本の敗戦後、北野中将が1946年、日本で米陸軍フォート・デトリック所属の調査官らに提出した書面の内容だ。新華社通信によると、17ページある陳述書には、731部隊の任務や研究成果などが書かれているという。学術論文発表時にはサルを使って実験したと書かれているが、実際には人体実験をしたという内容もあるとのことだ。

 中国メディアは「写本の公開は初めて」と強調した。しかし、中国国営メディアを除く海外の主要メディアは写本公開の事実をほとんど報道していない。公開された文書は米国国立文書保管所にある原本をコピーしたものだが、内容自体も学者たちの研究などを通じて既に知られているためと思われる。

 新華社通信の記事も、日本と北野中将だけでなく、米国に対する批判にも比重を置いている。新華社通信は文書を公開した展示館館長の話として、「(731部隊の)核心的な秘密を入手するため、米国は北野を上海捕虜収容所から日本に移した」「米陸軍はこのようにして得た資料を通じ、フォート・デトリックで生物兵器の開発スピードを引き上げ、(北野中将ら)人道に対する罪を犯した731部隊の主要な人物たちを赦免した」と批判した。

 ジョー・バイデン政権が中国・武漢研究所実験室からの流出説を含む新型コロナの起源に関して調査に乗り出すや、中国政府は「731部隊と関連のあるフォート・デトリックを調査しなければならない」と主張してきた。フォート・デトリックは米陸軍の感染症研究所がある基地だ。

北京=パク・スチャン特派員
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