韓国のゲーム会社だけの「愛国心制作」なのだろうか。米国エレクトロニック・アーツ社(EA)が今年の年末にリリースする『バトルフィールド2042』には、仁川の松島国際都市が実際の地名で登場する。松島に存在する架空のITハブ「Kaleidoscope」を舞台に戦争が繰り広げられる-という設定だ。林立するビルの間を戦闘機が飛び、松島セントラルパークで多国籍の軍隊が銃撃戦を展開する。海外のゲームユーザーらの間からは「ビルと湖が共にある様子はSF映画のようだ」「こんな場所が実際に存在するだって?」といった反応が出た。米国の『Call of Duty』や『オーバーウォッチ』など複数人がチームを組み、仮想空間で銃撃戦を繰り広げるシューティングゲームでも、韓国の舞台を実装し始めた。大衆文化評論家のチョン・ドクヒョン氏は「防弾少年団や『パラサイト 半地下の家族』など韓流コンテンツが人気を集めたのに伴い、ゲーム内の韓国のイメージが面白みを増す様子として受け入れられているように思う」と語った。
ゲーム内に韓国の風景が自然と受け入れられるにつれ、これを利用した「韓国PR」も成立している。ネイバーが作った仮想空間ゲーム『ZEPETO』では最近、盤浦漢江公園が人気場所トップ5に入った。累積ユーザー数2億人のZEPETOは、アバターがパーティー会場、サクラの並木道など仮想空間を動き回る、いわゆる「メタバース(多人数が参加できる仮想空間) 」ゲーム。昨年2月の海外ユーザー調査で「漢江公園に行ってみたい」という意見が多く、取りあえず韓国観光公社と協業して漢江を作り、実装した。韓国観光公社のイ・ミンギョン氏は「外国人は、韓国ドラマで見たおなじみの活動を望んでいることが分かった」とし「仮想の漢江でユーザーが自撮りやビデオブログの撮影をしてシェアすることで、PR効果を生んでいる」と語った。韓国ゲーム学会のウィ・ジョンヒョン会長は「韓国的な日常の風景が一つの文化コンテンツの座を占めていることを示す現象」としつつ「韓国産ゲームであるにもかかわらず、『リネージュ』のようなケースは無国籍であったり西洋的な視点で占められていたりしたのに対し、今では韓国人の世界観をゲームに盛り込むことができるようになったというのが、ゲームコンテンツの面で現れている最大の変化」と指摘した。
チャン・グンウク記者