露エンジニアが捨てた資料も漁って部品37万個を国産化、ヌリ号打ち上げを率いた3人の主役

 ヌリ号の動力となる75トンエンジンの開発は数多くの試行錯誤を経た。地上での燃焼試験で設備が爆発して故障したことがあったほか、エンジンも燃焼が不安定で何度も爆発した。このため、発射スケジュールを2回延期せざるを得なかった。結局20回以上エンジンの設計を変更し、184回、1万8290秒の燃焼試験を行い、エンジンの完成度を高めた。キム団長は「羅老号事業の当時は『韓国がロケットを作るって本当か』と無視していたロシアの研究陣が液体燃料の商用化以降、共同開発を提案してくるほど韓国の技術力を認めた」と話した。

■企業300社、エンジニア500人余り参加

 ヌリ号の開発には韓国企業300社のエンジニア500人余りも加わった。韓国航空宇宙産業(KAI)が組み立てを統括し、ハンファエアロスペースがロケットエンジン、斗源重工業がタンクと胴体の開発に加わるなど大企業と中小企業が手を結んだ。発射台は現代重工業が主軸となって構築した。総事業費の約80%(1兆5000億ウォン=1450億円)が韓国産業界への発注に充てられ、韓国企業が宇宙産業分野で成長する足掛かりを築いた。

 エンジニアは外国企業との競争に打ち勝った独創的アイデアと驚くべき開発速度をヌリ号でも十分に発揮した。ハンファエアロスペースのエンジニアは当初組み立てに6カ月を要していた75トンエンジンの製作期間を3カ月以内に短縮した。今は年間で最大13基のエンジンを組み立てられる能力を備えた。KAIのエンジニアは作業員がミスなく発射体を組み立てられるように、ヌリ号の丸い胴体の周囲を見て回ることができる大型のリング型作業台を初めて開発した。

 現代重工業が製作した発射台は冷却水供給量がロシアの技術で製作した羅老号の発射台の2倍、推進剤は3倍の規模だ。カン・ソンイル発射台チーム長は「発射台の開発に加わった提携企業が途中で倒産すると、開発していた設備を徹夜で移転して作業を行うことを繰り返した」と振り返った。

■科学技術革新力、OECD35カ国のうち日本4位、韓国は?

李永完(イ・ヨンワン)科学専門記者 , 崔仁準(チェ・インジュン)記者
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