ドイツモータースを舞台とする株価捜査疑惑の中心人物である同社の権オス(クォン・オス)会長が「資本市場と金融投資業に関する法律」違反の疑いで16日、逮捕された。権会長は2009年から12年にかけ、株価操作勢力と共謀し、ドイツモータースの株価に好材料となり得るインサイダー情報を利用し、同社株1599万株を不正に取引した疑い。ソウル中央地裁は「証拠隠滅の恐れがある」として、勾留状を交付した。
権会長が逮捕されたことで、ソウル中央地検反腐敗強力捜査2部による捜査が野党国民の力から大統領選に出馬する尹錫悦(ユン・ソクヨル)候補の妻、キム・ゴンヒ氏に向かうとの見方が出ている。権会長は共犯関係によるL氏に約10億ウォンの証券口座の管理を任せ、結果的に株価操作に使わせた疑いが持たれている。
検察は今月12日、L氏を逮捕して取り調べている。L氏は今月6日、検察が勾留状を再請求した際、令状審査に出席せずに行方をくらました。しかし、キム・ゴンヒ氏側は「数カ月、L氏に証券口座の管理を任せたが、損害が出たので回収しただけであり、株価操作とは関連がなく、公訴時効も過ぎている」と主張している。
問題の事件は昨年4月、開かれたウリ党の崔康旭(チェ・ガンウク)代表が検察にキム氏を告発したことが発端だった。ソウル中央地検は1年7カ月にわたり事件を捜査してきたが、キム氏が株価操作に関与したという決定的な証拠は確保できていないとされる。権会長の令状請求書にはキム氏に関する内容は含まれていないという。それでも検察がキム氏に出頭を求めて聴取を強行するのではないかとの見方があるが、検察の一部からは「権会長から意味がある供述が得られなければ、捜査は容易ではないだろう」との観測も聞かれる。
表泰俊(ピョ・テジュン)記者