「李舜臣の板屋船、推進力・方向転換に優れていた」

海洋文化財研究所の「板屋船」報告書

「李舜臣の板屋船、推進力・方向転換に優れていた」

 「朝鮮水軍の板屋船は強固で、卓越した方向転換能力を持ち、戦闘できる空間が広かった。反面、鈍重で速力は低く、引き潮のときは突進が難しかった。板屋船の規模は、長さが32.16メートル、幅が8.74メートル、船底から甲板までの高さが5.56メートル、重量は140.3トンだった」

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 壬辰(じんしん)倭乱(文禄・慶長の役。1592-98)の海戦で李舜臣(イ・スンシン)将軍を勝利に導いた板屋船の原型を科学的に明らかにする研究結果が出た。文化財庁国立海洋文化財研究所は10月28日、文献資料の分析、実施設計や造船工学的分析に基づく学術研究報告書『板屋船』を発行した。1555(明宗10)年に開発された板屋船は、亀甲船作りの土台になったともいわれる朝鮮水軍の主力艦船だった。

 今回の研究で新たに判明した事実は、板屋船の船底部は伝統的な韓船のように平らではなく、船首・船尾部分が緩やかに反り上がっているというものだった。同研究所のホン・スンジェ学芸研究士は「波にぶつかったとき抵抗を最小限に抑えるため、自然と反りのある木材を使った」と語った。

 もう一つの新たな発見は、「櫓(ろ)」の形だ。2本の材木を釘で留めていた旧来の櫓は、きしみを上げて推進力が低く、大きな船を動かすことができなかったのだ。このため1本の材木を使い、取っ手をT字型にした新たな櫓を開発した。新たな櫓は前方・後方を注視しつつ漕ぐ「推進型櫓」と、方向を定める「漕艇(そうてい)舵(だ)櫓」の性格を併せ持ち、推進力と方向転換能力が共に優れていたという。

 さらに、板屋船は平らな甲板の上に板を立てて覆いを付け、櫓を漕ぐ「櫓軍」を保護できる構造だった。報告書は「射手・砲手・火砲匠など軍士が上甲板の広く高い場所で効率的に戦闘できるようにした」と分析した。

兪碩在(ユ・ソクチェ)記者

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