韓国のマンション、住宅管理用端末・設備制御システムがハッカーの標的に

海外サーバー攻撃の経由地としてハッキング
冷暖房・排水ポンプなどを操作可能

 ソウルのあるマンション団地に設置された設備自動制御システムのサーバー(中央コンピューター)がハッキングされたことが確認された。このシステムはマンションの冷暖房装置はもちろん、排水ポンプ、貯水タンク、暖房用の温水の温度などを制御するもので、外部のインターネットとつながっていた。

 韓国の情報機関、国家情報院(国情院)は3日、「海外ハッキング攻撃の関連情報を分析していたところ、こうしたハッキングの事実を確認し、後続措置を取っている」と明かした。ハッカーは、いくらでもこのシステムを任意に操作して深刻な被害を起こすことができたが、単に海外の別のインターネットサーバーを攻撃するための、一種の経由地としてのみ活用したという調査結果が出た。国情院の関係者は「当該マンションのシステムは今年3月にハッキングされ、遠隔制御プログラムが設置され、海外40カ国のインターネットサーバーを攻撃するのに活用された」と語った。

 最近、韓国国内およそ700のマンション団地に設置されたウォールパッド(wallpad. 住宅管理用端末機)のカメラをハッキングしてマンション内部を撮影した動画が流出したという疑惑が浮上し、韓国警察が調べ始めている。こうした中で国情院も、韓国国内のマンションのシステムセキュリティーに穴があいた事例を追加で確認したわけだ。

 国情院は、当該マンションのハッキングの事実を把握した後、直ちに外部インターネットとの連結を遮断し、ハッキングの主体と具体的な被害の確認に乗り出した。また、同システムが、ある業者を通じて少なくとも韓国国内260のマンション、ビルディングなどに納品された事実を確認し、最優先でチェックを進めていると明かした。

 韓国警察も、マンションのウォールパッドのハッキング事件を巡り、捜査のスピードを上げている。先月、ハッカーらが主に利用するウェブサイトに、韓国のマンションの内部と推定される写真・動画がアップされた事件だ。警察関係者は「あるウォールパッド管理業者のサーバーで、外部からの侵入が疑われる状況を発見した」とし、「サーバーに命令を送って管理者権限を獲得する攻撃の痕跡が見つかり、ハッカーの仕業かどうか調べている」と語った。

 専門家らは、マンションに設置されたシステムのセキュリティー基準を強化すべきだと語る。高麗大学情報保護大学院の林鍾仁(イム・ジョンイン)教授は「デジタル社会へと向かう中、さまざまな先端ビルディングが登場しているが、セキュリティーは依然として脆弱」とし、「ハッキングを防ぎ得るようにサイバーセキュリティーを強化し、一定基準以上のセキュリティー認証を受けるようにする等の対策が必要」と語った。

イ・へイン記者

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