養育費払わない父母の個人情報暴露サイト、控訴審では有罪に=水原高裁

 養育費の支払いに応じない父母の個人情報をインターネット上に公表するウェブサイト「バッド・ファーザーズ」を運営し、「情報通信網利用促進および情報保護などに関する法律」が定める名誉毀損の罪で起訴されたク・ボンチャン被告(58)の裁判で、二審の水原高裁は23日、一審の無罪判決を破棄し、罰金100万ウォンの逆転有罪判決を言い渡した。一審はク被告の活動を「公共の利益」のためと判断し、無罪を言い渡したが、それを覆した格好だ。ただ、二審はク氏の行動が養育費問題を公に議論するきっかけとなるなど、社会的な関心を呼んだプラス効果もあったとして、判決を「宣告猶予」とした。

 宣告猶予とは軽微な犯罪の被告に対し有罪だけを確定し,善行保持を条件として判決の宣告または刑の宣告を猶予する制度。一定期間が過ぎれば、起訴されなかったのと同様の扱いとなる。水原高裁は「養育費の支払いを巡る問題は個人間の債権・債務でなはく、公的な関心事項なのは事実だ」としたものの、「私人が養育費を払わない人物の個人情報を公開するのは次元が異なる問題だ」とも指摘。「私的な制裁が制限なく認められれば、個人の私生活や人格権を侵害する恐れがある」と判決理由を説明した。その一方で、「社会的関心を促し、制度を整備する上でも寄与した部分がある」と評した。

 バッドファーザーズは18年7月に開設された。同年9-10月に養育費の不払いでサイトに個人情報を公開された5人は名誉毀損に当たるとしてク氏を告訴。検察は19年5月、罰金300ウォンで略式起訴した。一審は昨年1月、国民参与裁判(陪審員裁判)で陪審員7人全員が無罪評決を行ったことを受け、「ク氏の活動は公共の利益のためのものだったと言える」とし、無罪を言い渡した。ク氏は今年7月、養育費未払い者の個人情報をインターネット上に公表することを盛り込んだ「養育費履行確保および支援に関する法律」の施行令が改正され、女性家族部が養育費債務者の個人情報を公表できるようになったこと受け、今年10月にバッドファーザーズを閉鎖した。二審判決後、ク被告は取材陣に対し、「児童の生存権よりも無責任な個人の名誉が重要だと判断した結果だ」とし、上告を検討すると表明した。

リュ・ジェミン記者

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