彭帥選手が笑っている写真に殺到する「いいね」…その背後に中国の世論操作チーム(下)

NYT紙が分析したオンライン操作の実態

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 NYT紙は「こうした偽アカウントは過去2年間、オンラインで親中コンテンツの拡散を主導してきた」とし「中国政府の公式アカウントで『いいね』を押したり、コンテンツをシェアしたり、政府の政策に批判的なソーシャルメディアのユーザーを攻撃したりすることもあった」と伝えた。また、中国のインターネット統制技術はソーシャルメディア企業のAIアルゴリズムを利用するほどにまで巧みになった、と分析した。フェイスブック、ユーチューブが採択しているAIアルゴリズムは、多数の人が「いいね」を押したりたくさん検索したりするコンテンツやテーマを上位に表示する傾向がある。NYT紙は「ソーシャルメディアではここ数週間、張高麗副首相との望まぬ性関係を暴露したテニスの彭帥選手が、北京で自由にディナーを取ったり子どもテニス大会に出席したりする様子を収めたコンテンツの露出頻度が急速に増えた」とし、中国当局が否定的な世論を遮断するためAIアルゴリズムを利用した可能性を提起した。

中国政府による、民間業者を動員したインターネット世論調査の方法

 中国がインターネット上の世論を操作しようとしているという指摘は、既に何度もなされてきた。非営利の調査報道メディア「プロパブリカ」は昨年12月、中国政府の協力企業「雲潤大数拠」が作った「コメント工作シミュレーション」関連の文書を公開した。コメント工作チームの作業がどのような形でソーシャルメディアに広がっていくかを確認するプログラムだ。

 米国のメタ社(フェイスブックの運営企業)は今月初め、「ウィルソン・エドワーズ」というスイスの生物学者の発言を広めるのに使われたおよそ500のアカウントを削除した。この学者は夏ごろから「米国政府は、新型コロナウイルスの起源を明らかにしようとする世界保健機関(WHO)の科学者が中国に不利な結果を出すよう圧力を加えている」と主張し、チャイナ・デイリーなど中国国営メディアがこの発言を引用報道していた。だがスイス政府は「そんなスイス人が存在する可能性は低い」と表明し、中国が自国に有利な世論をつくり上げるためにでっち上げた「架空の人物」である可能性が浮上していた。

パク・コンヒョン記者

イ・ボルチャン記者

北京=パク・スチャン特派員

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