元在韓米軍司令官「韓国の軍事力はかなり見劣り…終戦宣言で何を得たいというのか」(下)

前職と現職の在韓米軍司令官、文在寅政権に相次いで苦言
戦時作戦統制権移管に懸念-「ミサイル防衛システムの配備が先」
韓米連合訓練縮小への批判も-「米軍戦闘機と共に最後に訓練したのはいつか」
終戦宣言を巡る意見の食い違いが明確に-「宣言をしても北朝鮮の脅威は変わらない」

■終戦宣言をしてもしなくても北朝鮮の脅威は変わらない

 終戦宣言問題についてもエイブラムス元司令官は「これを性急に行った場合、『戦争が終われば国連軍司令部はもはや必要ないのでは?』との主張が出るかもしれない」と警告した。エイブラムス元司令官はさらに「われわれは非核化に向けて一歩も前進できていない。今の北朝鮮は明らかに核で脅迫している」と指摘した。「北核の根本的な脅威に全く変化がないにもかかわらず、国連軍司令部解体の口実となる終戦宣言をあえて行うべき理由が分からない」という意味だ。

 2013年10月から16年4月まで在韓米軍を指揮したスカパロッティ元司令官も今年10月、韓米同盟財団と在韓米軍戦友会が主催した懇談会で「終戦宣言をしてもしなくても北朝鮮の脅威は変わらない」と発言している。スカパロッティ元司令官はさらに「われわれの責任は大韓民国を、国民を守ることだ。これを忘れてはならない」と強調した。ジェームズ・サーマン元司令官も終戦宣言について「単なる政治的な勝利を得るために急いではならない」と指摘した。南北関係のレガシー(遺産)を残したがっている文在寅政権の「前のめり」を警告したのだ。

■「北核の脅威増大に対抗するためさらに連合訓練を」

 エイブラムス元司令官はVOAとのインタビューで「一つ質問したい。米空母打撃団が韓国の領海や韓半島周辺に来るのを最後に見た、あるいは聞いたのはいつか? 米国の第5世代戦闘機が韓国の領空で訓練を行ったのを最後に見たのはいつか?」と述べた。2018年6月にシンガポールで行われた米朝首脳会談以降、縮小を続けた韓米連合訓練の再開に向けた議論を始めるべきという趣旨だ。エイブラムス元司令官は現職のときも「コンピューターゲーム化」する連合訓練について何度も懸念を表明した。「平時に継続して汗を流さなければ、有事に血を流すことはできない」(今年5月13日の韓米同盟財団歓送行事)という意味だ。

 今年8月に開催された下半期の連合訓練もコンピューターシミュレーション方式の指揮所演習(CPX)として行われ、実際に兵力を動かす師団級(海軍は艦隊級、空軍は飛行団級)以下の部隊参加は最小限となった。陸海空軍と海兵隊から合同参謀本部に派遣された人員は通常訓練の12分の1レベルだった。これについてスカパロッティ元司令官も先月末に開催された「韓米同盟未来平和カンファレンス」で「最近の韓米連合訓練の状態を懸念している」「最近になって北朝鮮の核・ミサイルの脅威は増大しているが、これに合わせてより厳格な基準で訓練を行うべきだ」と主張した。

 バーウェル・ベル元司令官は米国メディアとのインタビューで「同盟の軍事準備態勢を北朝鮮との潜在的かつ短期的な関係改善に向けた政治的な道具としてはならない」と指摘した。ブルックス元司令官も先日開催された安保フォーラムで「連合訓練をしない場合、これは手術のやり方は知っているが7-8年全く手術できなかった外科医のようだ」と説明した。

ワシントン=金真明(キム・ジンミョン)特派員

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  • ▲2019年5月に青瓦台(韓国大統領府)で開催された韓米軍主要職位者招請懇談会で対話を交わす文在寅(ムン・ジェイン)大統領とロバート・エイブラムス在韓米軍司令官(当時)。/聯合ニュース

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