SKハイニックス、中国による承認前に「中国企業支援」など6条件提示

 中国政府が今月22日、SKハイニックスによるインテルのNAND型フラッシュメモリー事業買収を承認する半月前、同社が6項目の条件を当局に提出していたことが判明した。このうち、▲取引承認日から5年間、ソリッドステートドライブ(SSD)製品の生産量拡大継続▲競合企業1社が企業向けSSD市場に参入することを支援し、中国国内市場での競争を活性化するーーという2条項には「詳細は社外秘」という条件を付けた。米中対立のさなかで半導体大手SKハイニックスに中国での生産量拡大を約束させ、中国企業の市場参入を助けることに保証を取り付けた格好だ。

 本紙が29日までに入手したSKハイニックスの公約案はA4で8枚の分量があり、今月7日に中国の国家市場監督管理総局に提出された。文書には中国がSKハイニックスによる買収計画を承認する上で掲げた6項目の条件がそのまま盛り込まれている。今回の承認過程に詳しい半導体業界関係者は「承認条件について、中国当局と十分な協議があり、7日に提出した文書は最終条件が確定する前のSKハイニックス側の答弁書といった性格のものだ」と説明した。

 SKハイニックスは昨年12月、中国にインテルのNAND型フラッシュメモリー事業部買収に伴う企業結合届出書を提出した。しかし、中国当局は1年間にわたり、利害関係者の意見集約などを理由に挙げ、最終承認を先送りしてきた。韓国と米国、欧州など7カ国・地域が既に承認している状況で、SKハイニックスは中国の承認が下りない事態を防ぐため、土壇場まで水面下で交渉を継続してきたとされる。事情に詳しい業界関係者は「他国とは異なり、中国には『無条件での承認』はなく、『不承認』または『条件付き承認』しかない状況で、SKハイニックスは最大限受け入れ可能な範囲で条件を調整した」と指摘した。

 文書に盛り込まれた6項目の条件のうち、論議を呼んでいる「ライバル企業の市場参入」について、SKハイニックスは「自社から先に提案した条件ではない。技術支援ではなく、高仕様のNAND型フラッシュメモリーを安定的に供給するよう求めたもので、技術流出とは関係ない」と説明。さらに、「中国当局と一般的な過去の審査事例に基づき、承認条件を協議したものであり、一部で指摘される『ポイズン条項』のようなものはない」とした。

朴淳燦(パク・スンチャン)記者

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