ハリス前駐韓米国大使「既に終戦宣言はある。それは『休戦協定』と言い、うまく機能してきた」

「終戦宣言しても北朝鮮の脅威変わらない…」制裁緩和・軍事訓練縮小に反対」

ハリス前駐韓米国大使「既に終戦宣言はある。それは『休戦協定』と言い、うまく機能してきた」

 ハリー・ハリス前駐韓米国大使が4日(現地時間)、「我々には既に(実質的な)終戦宣言があると常に考えていた。それは『休戦協定』と言い、数十年間うまく機能してきた」と述べた。ハリス前大使は同日、ワシントン・タイムズ財団の主催で行われたオンラインセミナーに出席し、「それ(終戦宣言)は平和協定ではない。休戦協定は依然として優れている」と言った。

 ハリス前大使は、韓国政府が最近強く押し進めている終戦宣言をストレートに批判した。前大使は「終戦宣言に関して、その宣言の翌日、何が変わるのか自問すべきだ」「韓国を守る我々の(韓米相互防衛)条約上の義務は依然として優れている。そして、北朝鮮のミサイル、核、化学、通常兵器の力も依然として優れているだろう」と語った。終戦宣言をしても、北朝鮮の核・ミサイルの脅威は変わらず、在韓米軍も引き続き必要なため、あえて終戦宣言をしなければならない理由はない、ということだ。

 ハリス前大使とほぼ同じ時期に韓国で勤務していたロバート・エイブラムス前在韓米軍司令官兼韓米連合司令官も先月25日、米政府系放送「ボイス・オブ・アメリカ(VOA)」とのインタビューで、「終戦宣言をして何を得ようというのかが明確でない」「今の北朝鮮は明らかに核で脅している」と語った。終戦宣言の実効性や終戦宣言をしようとする意図について、共通の危惧(きぐ)感を示したものだ。

 ハリス前大使は「絶対に、脅威に対応する能力を犠牲にしてまで北朝鮮との対話を推進してはならない」と述べ、韓米合同軍事演習の重要性を強調した。また、「対話と軍事的対備態勢は必ず一緒に行わなければならない」「我々は、ただ北朝鮮を交渉テーブルに就けさせるために制裁を緩和したり、軍事訓練を縮小したりしてはならないと強く信じている」とも話した。前大使は先制的制裁緩和や軍事訓練縮小については「失敗に向かって進むと立証されている道だ」「もし軍事訓練と制裁を縮小しようというなら、交渉の結果も良くなければならない」と言った。さらに、「(北朝鮮の)金正恩(キム・ジョンウン、総書記)の究極の目的は制裁緩和、核兵器維持、韓米同盟分裂、韓半島(朝鮮半島)支配の4つだと信じている」とも語った。

 米中関係に関しては「『韓国は安保同盟国(米国)と最大の貿易国(中国)との間で選択を強いられるのではないか』とよく質問されるが、これは間違っている話だ」「韓国は1953年に既に選択したし、米国も1950年に既に選択した」と言った。これは、米国が1950年に6・25戦争(朝鮮戦争)に参戦して中国と戦い、韓国が1953年の韓米相互防衛条約を締結した時点で既に選択は終わっているという意味だ。

ワシントン=金真明(キム・ジンミョン)特派員

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