「中国の中の韓国」は縮小、「韓国の中の中国」は拡大(下)

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 韓国で中国のケイ海明駐韓大使(ケイは形のつくりがおおざと)はVIP待遇を受ける。ケイ大使は国会議員、大企業関係者と容易に接触し、高レベルの情報を蓄積している。北京に駐在する韓国の駐中大使は大使館の外で中国社会のエリートと会うことが自由ではない。張夏成(チャン・ハソン)駐中大使は2019年4月の就任から2年6カ月後に初めて楊潔チ共産党政治局員(チはたけかんむりに褫のつくり)と初めて会うことができた。米国を中心に北京冬季五輪の外交的ボイコットの動きが加速していることから、そうしたムードの広がりを阻止しようと会談に応じた格好だ。

【グラフ】韓中貿易の割合

 韓国で中国はほぼ全ての分野で無視できない存在感を発揮している。韓国の不動産市場で中国人は「得意客」の域を超え、大口投資家となった。韓国国税庁によると、17年から外国人が購入した2万3167戸のうち中国人が取得した物件は1万3573戸(公示価格基準で3兆1691億ウォン)だった。

 韓国の大学は「中国人留学生がいなければやっていけない」と言われるほどだ。韓国教育部によると、韓国の大学に在学中の中国人留学生は5万9774人で、外国人留学生全体の半分を占める。延世大の場合、昨年志願した外国人学生1600人の60%以上が中国人だった。延世大国際処関係者は「中国人学生の入学志願が急増し、最近書類検討などの作業を行うため、勤労奨学生(大学での就労に対し奨学金支給を受ける学生)10人余りを追加募集した」と話した。

 一方、中国国内での韓国の地位が徐々に低下している。北京の中心部に当たる三環路より内側ではサムスングループを除くと、韓国の存在感は目立たない。北京市内にある唯一の韓定食店「 水剌(スラ)」は建物が売却され、昨年閉店した。在住韓国人は「数年前までは北京で韓国ブランドの広告板が目立ったが、いまは気をつけて見ていても見つからない」と話した。中国政府は依然として韓国語を公式外国語(英語、日本語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、ロシア語、アラビア語)に含めていない。

 産業研究院によると、中国の国内総生産(GDP)に韓中両国の貿易が占める割合は06年には5%近かったが、20年には1.9%に低下した。中国が韓国から輸入する品目は減り続け、韓国は中国の原材料に依存し続けており、韓国の劣勢がさらに固まりつつある。最近のヨウ素水騒動が代表的な例だ。国交樹立直後、中国は韓国から技術、中間財を調達し、互恵的関係を維持してきた。しかし、中国が半導体、素材などの分野で韓国を追い上げ、国交樹立から30年続いた二国間関係が変わりつつあると指摘されている。外交筋は「半導体など中国が韓国に依存していると伝えられる品目も中国は輸入先を多角化し、技術の追い上げに努めている」と指摘した。

 中国政府は改革開放期に導入した外資系企業に対するさまざまな優遇措置を縮小する一方、規制を強化し、中国に進出した韓国企業の不確実性が高まっている。韓国の財界団体、全国経済人連合会(全経連)が最近中国に進出してから10年以上経過する512社を対象に調べたところ、回答企業の85%が「10年前より企業環境が悪化した」と答えた。

北京=朴淳燦(パク・スンチャン)特派員、イ・ボルチャン記者

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