中国・西安封鎖長期化、サムスン電子減産でNANDメモリー価格上昇か

 コロナ拡大による中国・西安市の封鎖措置が20日近く続き、メモリー半導体業界世界1位、3位のサムスン電子、米マイクロン・テクノロジーの生産障害が長期化している。中国の経済メディア「財訊」がこのほど報じた。半導体業界からは西安の封鎖措置が世界の半導体市場に与える影響に注目している。

 人口約1300万人の西安は昨年12月22日から全面的に封鎖された。住民の大部分が自宅に隔離され、車両通行も制限されている。当初サムスン電子とマイクロンは封鎖措置の中でも工場を正常稼働していたが、物資と人手の不足で昨年末に生産量の調整に突入した。

 西安はサムスンの海外では唯一のメモリー半導体生産基地であり、同社のNAND型フラッシュメモリー生産量の約40%、全世界の生産量の10%以上を占める。マイクロンはDRAM後工程(パッケージング)を西安で行っている。西安での生産分が多いため、減産が長期化すれば、半導体市場価格に影響を与える可能性が高い。台湾の市場調査会社トレンドフォースは当初、今年第1四半期のNAND型フラッシュメモリー平均価格が前四半期比で10-15%下落すると予想していたが、西安封鎖の影響で下落幅は縮小する可能性があるとの見方を示した。半導体業界関係者は「当面は価格上昇が減産による損失を埋める。半導体生産ラインは一度止めると数百億から数千億ウォンの被害が生じるため、両社はラインを維持するために必死に努力している」と述べた。

 今年に入り、世界の半導体業界では悪材料が相次いでいる。世界9位の半導体ファウンドリー(受託生産業者)である中国の華虹半導体第3工場で今月7日、停電が発生し、少なくとも3時間にわたり生産が中断した。中国の半導体専門メディア「芯智訊」は、第3工場と配電器を共有する第5工場(上海市)も深刻な影響を受け、世界的にファウンドリーによる供給が不足する状況で発生した悪材料だと報じた。

 今月3日にはオランダの半導体露光装置メーカーASMLの独ベルリン工場で火災が発生した。ASMLは半導体微細工程に必要となる極端紫外線(EUV)露光装置を独占的に生産している。ブルームバーグはASMLの工場火災で全世界でEUV装置の供給が一時的に10%近く減少すると予想した。

イ・ボルチャン記者

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
関連フォト
1 / 1

left

  • ▲NAND型フラッシュメモリーを生産するサムスン電子西安工場の内部

right

あわせて読みたい