「米国のイヌ」「中共は大嫌い」…溝が深まる韓中の青年たち(下)

米中対立時代の「韓中修交30年」
両国の未来に差す影

「米国のイヌ」「中共は大嫌い」…溝が深まる韓中の青年たち(下)

 実際、本紙が20代(1993-2002年生まれ)のソウル大学外交学科の在校生・卒業生30人を対象に、米国と日本、中国、台湾の4カ国・に対する好感度についてアンケート調査を行った結果、中国に最も低い点数が付いた。最も好感度が高いレベルを10点とした場合、中国は平均3.83点にすぎなかった。米国(7.57点)の半分のレベルで、日本(5.73点)と比較しても2点近く低い。中国も事情は同じだ。韓国海外文化弘報院の2020年国家イメージ調査によると、韓国に対して肯定的認識を持つ中国人の割合は平均69.4%だったが、10代に限ると42.1%で、ことのほか低い。

【ソウル大生アンケート調査結果】韓国で反中感情が高まっていると思いますか?

 両国の若い世代の間にこうした感情が生じている理由は複合的だ。中国のテンセントが昨年出した報告書によると、ビッグデータを用いて中国の零零後世代(2000年以降に生まれた世代)を代表するキーワードを選んでみたところ、他国の青年たちの間ではあまり見られない「愛国」「熱血」というキーワードが登場した。こうした愛国主義的傾向が嫌韓感情を強く表出させる理由ということもあり得るのだ。

 同徳女子大中語中国学科の李東律(イ・ドンリュル)教授は「韓国の青年たちは民主主義体制を、習近平政権下の中国の青年たちは権威主義的体制を擁護しており、互いが異質に感じられるのだろう」と語った。最近、韓中両国がさまざまな領域で対立する事案が増えていることも影響を及ぼした、と専門家らは語る。THAAD(高高度防衛ミサイル)配備後の中国による報復、香港における国家保安法施行、中国発のPM(粒子状物質2.5の韓国流入騒動などが代表的な事例だ。

 以前の世代に比べ、若い世代で相手国の歴史・文化などに対する好奇心が減り、理解の幅が狭くなっていることも理由に挙げられる。韓国は、今の40代までであれば『三国志』や香港映画などを通して中華圏の文化に親しく接していたが、現在の若い世代にはそうした連結点がないという。中国も、6・25戦争を「正義の戦争」と呼ぶなど、自国中心の文化と歴史を強調する状況にある。

 専門家らは、こうした状況は未来の両国関係の発展において大きな障害になりかねないとして、青少年と留学生の交流を拡大すべきだと語る。中国新聞通信社のリュ・シュイ韓国支社長は「文化交流の過程を『文化浸透』と誇張して決め付けるケースが多いが、メディアや専門家らが乗り出して正す必要がある」とした。

北京=パク・スチャン特派員、カン・ウリャン記者、イ・ボルチャン記者

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