毎日新聞「日本政府による佐渡金山の世界遺産推薦、国益を損なう」と批判

毎日新聞「日本政府による佐渡金山の世界遺産推薦、国益を損なう」と批判

 日本政府が、日帝強占期に朝鮮人を強制的に労働させていた佐渡金山を世界文化遺産の候補として国連教育科学文化機関(ユネスコ)に推薦することを決めたことについて、日本の毎日新聞が社説で批判した。

 毎日新聞は1日「文化の政治利用を危ぶむ」と題する社説で「近隣国(韓国)との対決姿勢を演出する思惑で文化を政治利用するような振る舞いは、むしろ国益を損ねるものだ」と指摘した。

 同紙は、日本政府が当初、韓国の反発を考慮して佐渡金山の推薦を見送る方針だったものの、安倍晋三元首相をはじめとする自民党保守派が「弱腰」と批判したため方針を変更したとして「7月の参議院選挙を念頭に保守票を意識したのだろう」と分析した。

 また「中国が南京大虐殺に関する資料を世界記憶遺産に登録しようとした際、日本政府が全方位から圧力を加え、昨年には関係国から異議が申し立てられれば協議を中断するよう世界遺産の審査制度の変更を主導した」として「日本政府は最近、関係国(韓国)の理解が不可欠だと主張してきたため、今回の推薦は矛盾している」と批判した。

 同紙は「世界遺産は人類が共有すべき普遍的価値のある文化財を保護する仕組み」だとして「安倍元首相は(韓国から)歴史戦争を挑まれている、とフェイスブックに書き込んだが、歴史認識に関する摩擦を持ち込むべきではない」とつづった。

 一方、日本のほかの主要メディアは日本政府による佐渡金山の世界遺産推薦を支持する立場だ。読売新聞は先月29日の社説で「佐渡金山について、強制労働の被害現場だと主張して推薦の中止を求める韓国の主張は筋が通らない」として「日本は背水の陣を敷いて韓国の宣伝戦を跳ね返し、国際社会の理解を広げてもらいたい」と書いた。

 同紙は「岸田内閣が一時、韓国の反発を考慮して推薦見送りに傾いていたのは理解に苦しむ」として「貴重な文化財の世界遺産登録を推進するのは当然のことなのに、なぜ国内で無用の論争を呼んでしまったのか」とも指摘した。

 同日付の産経新聞も、社説で「日本政府は誇りを持って佐渡金山を推薦し、登録に全力を挙げなければならない」と主張した。同紙は「政府内では一時、推薦見送りが検討されていたが、推薦は当然だ」として「推薦を見送れば、朝鮮人が過酷な労働に従事したとして反発する韓国の批判に屈服することになる」と書いた。さらに「政府はユネスコ登録のために、韓国に対し、事実に基づき毅然と反論し、国際社会の理解を求めるべきだ」と主張した。

 日本政府は1日、佐渡金山のユネスコ世界文化遺産への推薦を正式に決定したと発表した。日本政府は「文化遺産として(佐渡金山の)素晴らしい価値が評価されるよう、韓国を含む関係国との間で丁寧かつ冷静な議論を行っていく」と説明した。

 佐渡金山の世界遺産登録の可否は、来年夏ごろに決まる見通しだ。ユネスコの諮問機関である国際記念物遺跡会議(イコモス)などが現地調査を実施し、2023年5月ごろに登録に適しているかどうかの勧告を出す予定だ。その後、6-7月ごろに21か国で構成されるユネスコ世界遺産委員会が登録についての最終審議を行うことになる。

ソ・ユグン記者

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