中国のSトラック代表、韓国人監督&コーチで打倒韓国=北京五輪

中国ショートトラック率いる金善台監督と安賢洙コーチ…世界最強を狙う

中国のSトラック代表、韓国人監督&コーチで打倒韓国=北京五輪

 先月30日に中国に到着した韓国のショートトラック代表チームは、翌日からすぐに現地適応練習に入った。練習3日目の今月2日、代表チームは午前9時から北京の首都体育館で50分間の滑走練習を行った。最初の2日間の練習に比べ、大幅にスピードを上げていた。氷の質に合わせてスピードをコントロールし、リレーの練習も実施した。練習後には集合して笑顔で写真撮影をするなど、和気あいあいとしたムードだった。チーム最年長の郭潤起(クァク・ユンギ、33)=高陽市庁=はその後、取材陣の前でも「皆いい練習ができている。後輩たちといい思い出を作りたいので写真を撮ろうと声を掛けた」と楽しそうに語った。

 韓国の選手たちが練習を終えてリンクを後にすると、体育館の片隅で静かに韓国チームの練習を見守っていた中国代表チームの金善台(キム・ソンテ)監督(46)が、中国の選手たちと共にリンクに入った。金監督の隣には、かつて韓国ショートトラック界の顔だったビクトール・アン(36)=韓国名:安賢洙(アン・ヒョンス)=コーチが立っていた。

 金監督は4年前の平昌冬季五輪で韓国代表チームの監督を務め、アン・コーチは2006年のトリノ五輪でショートトラック韓国代表として3冠を達成、14年のソチ大会ではロシア代表で出場して3冠王となった。アン・コーチは上着を脱ぐと、中国の選手たちと共に動きながら練習を指揮した。中国の選手には笑顔がなかった。金監督とアン・コーチは練習後、韓国の取材陣のインタビュー要請にも答えず、無言でリンクを後にした。

 中国は今回の五輪を控え、徹底的に手の内を隠す戦略のようだ。先月31日午前と午後、今月1日午前に予定されていた公式練習には姿を見せず、1日午後にようやく登場した。練習が終わると国内・海外問わずメディアのインタビューには応じずにリンクを後にする。その代わり、韓国代表チームの練習は熱心に見ている。金善台監督は先月31日に韓国チームが初練習を開始すると、待ってましたとばかりにリンクの観客席に現れ、選手たちの練習の様子を自ら撮影していた。

 ショートトラックは中国でも人気が高い。これまで冬季五輪のショートトラックでは韓国が最も多くメダルを獲得(計48個、金24、銀13、銅11)しているが、その次が計33個を獲得した中国(金10、銀15、銅8)とカナダ(金9、銀12、銅12)だ。これまで国際舞台で韓国に後れを取っていた中国は、自国開催の五輪で韓国を圧倒するために長い間準備を重ねてきた。19年に金監督を招へいしたのに続き、20年にはアン・コーチも迎えた。平昌五輪のショートトラック金メダリスト、イム・ヒョジュン(25)も昨年、中国国籍を取得し、中国の選手たちと共に練習してきた。韓国が持っていたショートトラックのノウハウを、中国がほぼ吸収したと考えていいだろう。

 それでも韓国の選手たちは気にしていない様子だ。キム・アラン(26)=高陽市庁=は「韓国の指導者が中国チームを指導するのは数年前から行われていること。そのときから韓国の練習方法はすでに相手に共有されているはず」として「私たちは新しい方法を見つけて練習しながら発展し続けてきた。そんなに心配していない」と話した。ファン・デホン(22)=江原道庁=も「中国チームの練習はあまり見ていなかった。中国チームを気にするよりも、自分の練習に集中したい」と話した。韓・中のショートトラック代表は五輪開幕翌日の5日、男女混合リレーで最初のメダルを争うことになる。

北京=ソン・ウォンヒョン記者

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