古代史・キムチ・韓服…中国の露骨な「文化工程」(下)

 20年には韓服とキムチまでも中国由来だとする中国側の主張が始まり、いわゆる「韓服工程」「キムチ工程」という言葉が生まれ、「文化侵奪」という印象が高まった。中国が韓国のエンターテインメント産業に投資した際、ドラマなどに過度に間接広告を入れたことも拒否感を呼んだ。昨年朝鮮王朝の宮廷料理に中国料理が登場するなど歪曲論争が起きたSBSのファンタジー時代劇「朝鮮駆魔師」は視聴者の抗議で放送が中断された。

【表】中国による「文化工程」騒動の事例

 高句麗・高麗研究所の徐吉洙(ソ・ギルス)理事長(元西京大教授)は「中国は既に16年までに古朝鮮、夫余(扶余)、渤海が中国史の一部だという国史化を終えた状態だ。我々は『なぜ中国はしきりにそんなことをするのか』と不思議に思うが、韓服の根源が高句麗の壁画である点を考えれば、既に韓服が中国の服装だという根拠が出来上がったことになる」と話した。 

■少数民族包容ではなく「文化帝国主義」

 中国が公式行事で少数民族を登場させるのは、中国が単一民族で構成される国家ではなく、さまざまな民族で成り立っているという『統一的多民族国家論』が根底にある。しかし、これは多様な民族を包容しようという姿勢というよりは、「皆が自分たちの下に入れ」という文化帝国主義的態度であり、周辺国の反感と批判を買っている。

 韓京大のユン・フィタク教授(中国現代史)は「中国は習近平政権発足以降、愛国主義を過度に強調し、過去の中国の全盛期に存在していた文化や歴史は今も全て中国の物だという立場を取っている」と述べた。周辺国家の固有の文化を認めず、他国の文化が全て自分たちに由来すると考え、外国文化の輸入を拒否する国粋主義に陥る危険性があるとの指摘だ。

ユ・ソクチェ記者

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  • ▲4日、中国・北京の国家体育場で開かれた北京冬季五輪の開会式で韓服を着た女性が他の少数民族を着た人々と登場し、手を振っている。/聯合ニュース
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