男子フィギュア:4回転ジャンプ、4年間ひたすら飛び続けた車俊煥

今日午前10時15分、男子フィギュア…平昌では15位、今回はトップ10入りに期待

男子フィギュア:4回転ジャンプ、4年間ひたすら飛び続けた車俊煥

 車俊煥(チャ・ジュンファン、20)は韓国男子フィギュアスケートの新たな道を切り開いてきた選手だ。2016年のジュニア・グランプリ(JGP)で2回優勝し、2018年にはシニア・グランプリ(GP)ファイナルで銅メダルも手にした。先月は四大陸選手権の金メダルを獲得した。どれも韓国男子フィギュア界で史上初だ。

【写真】練習するフィギュア男子の車俊煥

 車俊煥は再び新たな歴史のページを書き加える準備ができている。北京冬季五輪フィギュア男子シングルのショートプログラム(SP)は韓国時間8日午前10時15分、フリーは10日午前10時30分に行われる。車俊煥が4年前の平昌大会で記録した韓国男子フィギュア五輪最高成績である15位をどこまで上げられるかに期待が集まる。現地で練習中の車俊煥は「練習すればするほどジャンプが上がる」「体調管理をきちんとしてきたし、経験も積み重ねてきた。自信がある」と語った。

 4回転ジャンプなしでは、国際試合の舞台で競争力があるとは言えない。車俊煥は4回転ジャンプを今回の五輪のSPで1回(4回転サルコウ)、フリーでは2回(4回転サルコウ・4回転トウループ)飛ぶと明らかにした。中学校の時からブライアン・オーサー・コーチ(60)=カナダ=と練習してきた4回転サルコウ(基礎点9.7点)が2回入っている。

 車俊煥はこのジャンプを2016年のジュニア・グランプリで初めて成功させた。だがその後は4回転ジャンプの練習で股(こ)関節などのけがに苦しんできた。平昌冬季五輪のフリーでは4回転サルコウを試みて転倒、満足できる結果が得られなかった。

 もともとオーサー・コーチと一緒にカナダで練習していた車俊煥だが、新型コロナウイルスが流行してからの2年間は韓国国内で1人で練習してきた。ヒップホップダンスやボクシングなどフィギュアの演技に役立ちそうなことをいろいろと試しながら、五輪の準備に専念してきた。オーサー・コーチとはほとんど会えなかったが、今は一緒に北京にいる。4回転ジャンプをSPで2回、フリーで5回飛ぶネイサン・チェン(22)=米国=、4回転アクセル(4回転半ジャンプ)成功に初挑戦する羽生結弦(27)のほか、宇野昌磨(24)、鍵山優真(18)=以上、日本=などがメダル候補だ。

 オーサー・コーチは車俊煥について、「メダル獲得も不可能ではないが、現実的に見て6位圏内くらいの成績が挙げられればいい」「力とスピードがついてきた。これまでは世界的な選手たちの陰に隠れていたが、今は十分に注目されるだけの演技ができるだろう」と語った。

 今回の五輪には、初めて韓国男子シングル選手が2人出場する。車俊煥が昨年の世界選手権で10位になり、五輪出場権を「1+1枠」確保したからだ。2枠のうち1枠は車俊煥以外の選手が昨年のネーベルホルン杯で7位内に入ったら決まるという条件だったが、イ・シヒョン(21)が自己最高点を記録して5位になった。

 イ・シヒョンの最大の武器も4回転サルコウだ。新型コロナ流行で大会が次々と中止になっていた期間を、イ・シヒョンはターニングポイントだと考えた。目の前に迫った大会に備えることをいったんやめ、余裕をもって4回転ジャンプの練習に専念した。

 小学校4年生の時にフィギュアを始めたイ・シヒョンは、家庭の経済事情が非常に厳しかったものの、夢をあきらめずに練習を続けた。食堂で働いて1人で頑張ってきた母親が肩を痛めて働けなくなり、イ・シヒョンもけがをしばらく治療できず、2016年の韓国代表選抜戦で惜しくも脱落した時、大きなピンチを迎えた。こうした事情が伝えられると、多くの人々がクラウド・ファンディングに参加して資金を集めてくれた。自治体や福祉財団などの支援を受けて成長したイ・シヒョンは五輪の舞台に立つことになった。

 出国前の電話取材で、イ・シヒョンは「海外で練習するほどの余裕がないという理由で4回転ジャンプを試みすらしないのは言い訳だと思った」と言った。練習場所が新型コロナ流行拡大のため閉鎖された時は、真冬にもかかわらず山に登り、地下鉄駅の空きスペースでジャンプの練習を続けた。イ・シヒョンの身長は186.7センチメートル。フィギュアスケートは小柄な方が有利なため、国際大会に出ても最も長身である場合が多い。

 「大きくなってしまったのだから、この身長で適応しよう」と心に決め、両腕を高く持ち上げて飛ぶ「タノジャンプ」を練習した。すると、加算点も付いて、さらに成長できる突破口になった。「本当にありがたい方々が祈ってくださったり、応援してくださったりしたから、今までやって来られました。五輪で僕ができるベストの技を尽くして、僕の真心が伝わる試合をお見せしたいです」。

チェ・スヒョン記者

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