車俊煥が初の5位、韓国男子フィギュア界に新たな歴史を刻んだ

韓国フィギュア男子五輪最高成績
新型コロナで2年間、韓国で1人練習
昨年の世界選手権10位に続きまた記録
「4回転ジャンプをきれいに跳ぶのが課題」
「メダル以上の美しい挑戦」
文大統領、フェイスブックに激励メッセージ

車俊煥が初の5位、韓国男子フィギュア界に新たな歴史を刻んだ

 「最初のジャンプで失敗して残念でしたが、その後の演技が良かったので満足しています。自己最高点と五輪『トップ10入り』という目標も達成できました。これからもっと楽しみです」

 車俊煥(チャ・ジュンファン、20)=高麗大学=はスッキリしているように見えた。試合後、ミックスゾーン(共同取材エリア)で報道陣に会った時もよく笑っていた。2回目の五輪で自分がやりたかったことをすべて成し遂げたというような表情だった。

【写真】フリーの演技を披露する車俊煥

 車俊煥は10日に行われた北京冬季五輪フィギュア男子フリー(北京・首都体育館)で182.87点を出した。8日のショートプログラム(SP)99.51点(4位)と合わせて合計282.38点とし、韓国フィギュア男子史上初めて五輪で5位になった。男女合わせても、韓国の選手が五輪のフィギュアで5位以内に入ったのは、2014年ソチ大会2位のキム・ヨナ(31)以来8年ぶりだ。車俊煥はまた、今回の五輪でSPとフリー、合計点とも自己最高点を出した。合計点では、五輪3連覇に挑んだ「フィギュア界のスター」羽生ゆずる(27)=日本=(283.21点・4位)にわずか0.83点差で届かなかった。

 出場選手24人中21番目に登場した車俊煥は、プッチーニの歌劇『トゥーランドット』に合わせて演技を始めた。最初のジャンプとして4回転トウループ(基礎点9.5点)を試みたが、転倒した。だが、それでも気持ちは揺らがなかった。「思ったよりひどく転んでちょっと慌てました。『ミスは早く忘れて、残っているものをきちんとやろう』と思っていましたが、すぐにきちんとした演技ができて良かったです」。落ち着いて2番目のジャンプである4回転サルコウ(基礎点9.7点)をきれいに決め、その後はミスなく演技を終えて笑顔を見せた。

 車俊煥は五輪初舞台だった4年前の平昌大会では15位に終わり、悔いを残した。北京大会の準備過程も順調ではなかった。新型コロナウイルス感染症の大流行以降、ブライアン・オーサー・コーチ(60)=カナダ=ともほとんど会えず、2年間にわたり韓国国内で1人、練習した。だが、困難な環境にありながらも実力を着実に伸ばし、国際的な舞台で名を知らせ、韓国フィギュア界の歴史に新たなページを書き加えた。昨年3月の国際スケート連盟(ISU)世界選手権では10位になり、韓国の男子選手としては同大会初の「トップ10入り」を果たした。先月のISU四大陸選手権では優勝した。これも韓国フィギュア男子界では初のことだ。

 車俊煥は「平昌五輪の経験が今大会の準備で大きな助けになりました。練習でつらい時もありましたが、多くの方々が応援してくださったおかげで耐えられました。僕のことをお見せできる演技になったと思います」と語った。さらに、今後については「4回転ジャンプをもっと多く取り入れたプログラムをきれいに演技することがこれからの課題です」「もっと強い選手になりたいです」と話した。車俊煥は15日から行われるフィギュアスケート女子シングルに出場する後輩の金芸林(キム・イェリム、19)と劉永(ユ・ヨン、17)=以上、修理高校=にも「五輪の時間は大切です。一瞬一瞬を楽しみながら満足できる試合をしてほしいです」と温かいアドバイスを送った。

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領も同日、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)「フェイスブック」を通じて「メダル以上の美しい挑戦だった」「驚くべき演技を繰り広げた車俊煥選手に励ましの言葉を送る」と語った。

北京=ソン・ウォンヒョン記者

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