コロナ感染者数の予測を毎回外す韓国政府、防疫対策も後手

韓国政府の予想は外れて感染者数は急増
今月初め「2月中旬には3万人以上が感染」と予想
実際は1日10万人近く
防疫政策は感染者急増に追い付かず
現場では患者の放置など問題が次々と明るみに

 韓国のコロナ感染者数がほぼ毎週倍増し、政府の予測を大きく上回っている。これに伴い医療現場の負担も重くなっている。15日のコロナ新規感染者数は9万443人を記録し過去最高となった。16日も午後11時の時点で9万1000人を上回り、10万人に近づいている。1週間前(4万9550人)に比べて2倍、2週間前の2万268人からは4倍以上だ。この勢いは防疫当局と専門家の予測をはるかに上回る「想像以上の感染拡大」だ。つい先月まで例えば翰林大学江南誠心病院感染内科のイ・ジェガプ教授は「最悪の場合は2月末か3月初めに9万人程度にまで感染が拡大するだろう」と予想し、嘉泉大学医学部予防医学科のチョン・ジェフン教授は「2月中旬ごろに2万人」などと予測していた。ところが現実は専門家によるこれらの予測を大きく上回った。

【図】韓国の新型コロナ感染者数 今後どうなる?

 とりわけ感染者数に基づいて政策を決める防疫当局は予測が次々と外れて戸惑っている。今月14日に保守系野党・国民の力の徐正淑(ソ・ジョンスク)議員の事務所が防疫当局から提出を受けた「コロナ感染者予測資料」によると、今月中旬の時点でコロナ感染者数の予測は最大で5万6800人だった。ところが実際は2月中旬に9万人を突破した。昨年11月にも韓国政府は「年末までに4000-5000人が感染する」と予測したが、実際は7454人(12月22日)に達した。先月31日には「2月中旬に最大で3万6800人が感染する」と予測していたが、その1週間前の時点ですでにその水準に達していた。

 金富謙(キム・ブギョム)首相は先月「1日の感染者数を10万-20万人と予測するのは非常に悲観的な見方であり、3万人ほどでピークを打つだろう」との見方を示したが、この予測はわずか2週間で外れた。鄭銀敬(チョン・ウンギョン)疾病管理庁長は「2月末の感染者数は13万-17万人まで発生する可能性もある」と予想したが、これも同じく外れるというのが専門家の見方だ。

 問題は防疫当局が提示したこれらの「過小予測」が政策に影響を及ぼすことにある。入院病床の数や在宅治療の余力、診断病院の規模などは政府の予測に基づいて決められる。ところが実際の現場では想定外の感染者数増加で管理がしっかりと行われず、薬の配送が先送りされるとか、PCR検査結果の通知が2-3日遅れて感染者が日常生活を送り感染を広げるケースも起こっている。高麗大学九老病院感染内科の金宇柱(キム・ウジュ)教授は「高リスク群だけがPCR検査を受けられるように制限したため感染者数は増えていないように見えるが、実際は予想以上に感染者が増え防疫政策全体が揺らいでいる」と指摘した。

 コロナ感染者数のピークがいつか、またその規模がどの程度になるかは五里霧中だ。米国や英国など他国では感染者数がピークを過ぎ減少に転じているが、韓国は相対的に増加のペースが緩やかで流行の拡大が持続しているからだ。ソウル大学医学部の李種求(イ・ジョング)教授は「米国や欧州の事例を見ると、オミクロン株が最初に発見されてから、優勢種となりピークに至るまでの期間は8-10周ほどだ」とした上で「韓国でも流行のピークは3月初めから中旬になりそうだが、これは高齢者の3回目ワクチン接種の効果が下がる時期と重なる上に、政府が楽観的なメッセージを出した場合はピークがより急速に大きく上がることもあり得る」と警告した。

パク・セミ記者

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
あわせて読みたい