高永宙「文在寅は共産主義者」発言、起訴から4年半で無罪確定

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領を「共産主義者」と批判し名誉毀損(きそん)容疑で起訴されていた弁護士の高永宙(コ・ヨンジュ)元放送文化振興会理事長(73)の無罪が確定した。

 法曹界の関係者が21日に明らかにしたところによると、今月11日にソウル高裁で行われた差し戻し審で裁判長は高氏に無罪を宣告し、検察は再上告の期限となる今月18日までに再上告しなかった。刑事裁判で判決に不服のある場合は宣告日から7日以内に上告状を提出しなければならない。この結果、検察の起訴から4年6カ月でこの事件は「無罪」で一段落した。

 高氏は2013年1月、ある市民団体の新年会で当時新政治民主連合の代表だった文大統領について「釜林事件の弁護人で共産主義者であり、この人間が大統領になったらわが国が赤化するのは時間の問題だ」と発言した。高氏は釜林事件の担当検事で、文大統領は2014年にこの事件の再審の弁護人だった。文大統領は15年9月に高氏を名誉毀損容疑で告訴し、検察は17年9月に虚偽の事実摘示による名誉毀損容疑で高氏を起訴した。

 一審は「本人だけの診断を下したもので悪意のある策略ではない」として無罪を宣告したが、二審は「単なる意見表明ではなく虚偽の事実摘示に該当する」として懲役10カ月、執行猶予2年の有罪を言い渡した。

 これに対して昨年9月に大法院(最高裁に相当)は「共産主義者発言は高氏の経験を通じた被害者(文大統領)の思想あるいはイデオロギーに対する立場の表明とみるのが妥当であり、これを被害者の名誉を毀損するだけの具体的な事実摘示とは考えがたい」として二審を破棄し事件をソウル高裁に差し戻していた。

リュ・ジェミン記者

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