「北朝鮮軍、6・25退却時に宗教関係者1145人を虐殺」(上)

韓国宗教界で伝えられてきた集団虐殺…国家機関の真実和解委が初めて確認

 6・25戦争当時南下した北朝鮮軍が、退却する過程でカトリック・プロテスタントの信者1000人以上を集団虐殺したという調査結果が出た。「真実和解のための過去史整理委員会」(真実和解委)が最近、ソウル神学大学の朴明洙(パク・ミョンス)教授のチームに依頼して進めた「6・25戦争前後のキリスト教弾圧と虐殺研究」で明らかにされた。当時広範囲に行われた虐殺は、「宗教抹殺」政策を展開した北朝鮮当局の公式の指示で実施された。忠清南道・全羅北道・全羅南道地域で特に被害者が多かった。犠牲になったクリスチャンはカトリック1026人、プロテスタント119人の合わせて1145人と分かった。

 報告書によると、国連軍による仁川上陸作戦直後の1950年9月26日、北朝鮮当局は「反動勢力を除去した後、退却せよ」という命令を下した。その後およそ1カ月にわたり、韓国各地で血なまぐさい虐殺が行われたのだ。

 忠清南道論山の餅村教会では、9月27日・28日に信者16人と家族など計66人が北朝鮮軍と共産党員らによって殺害された。「イエスを信じるならみんな殺すと脅迫した後、共産党員らがスコップ、棒、竹やりなどで殴り、穴に埋めた。赤ん坊を胸に抱いて死んだ母親もいた」という証言も出てきた。

 信徒15人が虐殺された万頃教会(全羅北道金堤)では、10月1日の共産軍退却後、井戸で男女のクリスチャンの遺体が見つかった。ハンマーで後頭部を殴ったり竹やりで刺されたりしていた。全羅北道井邑の斗岩教会では、北朝鮮軍が10月26日、クリスチャンを刃物で切り付けたり銃で撃ったりした後、教会を焼き払った。井戸ではくいに刺さった遺体も発見されたという。こうして22人が殺害された。

 北朝鮮軍は9月27日、全羅北道井邑警察署の留置場に拘束された井邑教会の長老や右翼関係者など167人を焼き殺した。150人は古阜立石里・斗升山の廃鉱で集団虐殺した後、埋めたことも明らかになった。全羅南道霊光の塩山教会では、10月26日から12月4日にかけて77人が虐殺された。「両親がどこにいるか言え」という北朝鮮軍の脅迫に「知らない」と答えた11歳の子どもが残酷に殺されたケースもあった。

 このほかにも全羅南道霊光の野月教会・法城教会、全羅南道霊岩の鳩林教会・梅月教会などで、むごたらしい虐殺がほしいままに行われたことが調査で判明した。体に石をくくり付けて海に落とし、共同墓地で生き埋めにし、生きたまま火を付けるなど、ありとあらゆる残忍な手法が動員された。

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  • ▲6・25戦争時、韓国を占領した北朝鮮軍がクリスチャン66人を殺害した餅村教会(忠清南道論山)の殉教者記念碑。
  • 「北朝鮮軍、6・25退却時に宗教関係者1145人を虐殺」(上)

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