【コラム】中国も驚いた韓国の反中感情

 中国のあるシンクタンクに勤務する中年のAが中国のSNS(会員制交流サイト)で広がる内容を送ってきた。スピードスケート韓国代表の車旼奎(チャ・ミンギュ)選手が北京冬季オリンピックのマスコット「ビンドゥンドゥン」の人形をごみ箱に捨てたというのだ。「中国人ボランティア」がその様子を見たという。代表チームを取材する同僚を通じて確認したところ、ビンドゥンドゥンは車選手の部屋に確かに保管されていたという。根拠のないフェイクニュースが物腰の柔らかいAを興奮させるほど、今の韓中関係は危うい状態だ。小さなきっかけで野原をも焼き尽くす勢いだ。

 2月20日に幕を下ろした北京冬季オリンピックは韓中関係の虚弱性を赤裸々に示した。韓服と誤審問題は反中・反韓世論に火を付けたちまち広がった。中国のSNSは「韓国の手のつけようのない反中感情」を批判する書き込みであふれ、駐韓中国大使館は3日連続で反中世論に対する論評を出した。現地在住のある韓国人は「北京で北京オリンピックを見ることがこれほどハラハラするとは思わなかった」と述べた。

 中国では敵対心を超え嫌悪に近い韓国の対中感情表出に驚いているようだ。「臨界点を越えた」「前例がない」などの表現も使われている。親中の態度を示してきた韓国与党の大統領候補まで中国に背を向けるような態度を示すと、「韓中関係を仲たがいさせる親米保守勢力のせい」とする「伝統的分析」も力がなくなった。

 北京外国語大学の周曉蕾教授は韓国のMZ世代(1980-2015年生まれ)の反中感情に注目している。景気沈滞、不動産政策の失敗で経済面での不安が高まっていると同時に、Kポップ、Kドラマの成功で国への誇りが強いMZ世代が未来への不安を隣国(中国)に対する軽蔑に変えているというのだ。このような分析は「中華民族が世界最高」という愛国主義教育を受けて育った中国のMZ世代にも適用できる。両国の対立は短期間で終わらないという意味だ。

 1年前に文在寅(ムン・ジェイン)大統領は中国の習近平・国家主席との電話会談で「韓中は協力防疫を通じて友愛と信頼が強化された」と述べた。習主席は「中韓両国は一つの船に乗って川を渡るように手を握った」と評した。しかしこのような認識はあまりにも楽観的という事実が今回の北京冬季オリンピックであからさまになった。私的な席で会った中国の学者やメディア関係者たちは「誰が韓国の大統領になっても韓中関係は悪化するだろう。心配だ」と口をそろえる。今回の韓国大統領選挙を皮切りに今後の韓国政治において「中国イシュー」はより多く話題になる可能性も小さくない。

 韓国の貿易全体に中国が占める割合は30%に達する。中国も自分たちの強くなった国力から国際的なリーダーシップが認められるためには「隣国」である韓国の支持が必要だ。MZ世代で広がる反中、反韓の雰囲気が完全に固まってしまえば、両国の未来に現実的な負担となってしまう。今年の修好30年をきっかけに両国の指導者、オピニオンリーダーたちが率直な態度でまずは先頭に立たねばならない。

北京=パク・スチャン特派員

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