【萬物相】恐ろしいほどよく当たる占い師のような出口調査

【萬物相】恐ろしいほどよく当たる占い師のような出口調査

 韓国大統領選挙の出口調査の的中を巡って「科学であり、かつ芸術の境地」「恐ろしいほど正確に秘密を当てる占い師のようだ」という声が上がった。選挙戦の最終盤まで、保守系最大野党「国民の力」の尹錫悦(ユン・ソクヨル)候補が与党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)候補を5ポイント前後上回っているとの世論調査があふれていたが、当の出口調査は、尹候補の優位は誤差範囲内の0.6ポイントであって非常に薄氷の勝負だと予測した。首をかしげる有権者が多かったが、実際の開票結果は0.73ポイント差で尹候補の勝利となり、出口調査とわずか0.13ポイントしか違わなかった。

 出口調査は、1967年に米国の世論調査専門家、ウォーレン・ミトフスキーがCBS放送のためにケンタッキー州知事選で初めて実施し、注目を集めた。翌年には大統領選挙の際に活用されて大成功を収め、その後は各放送局が競って出口調査を繰り広げた。1980年の大統領選挙時には、時間帯が異なる東部地域で投票した有権者の出口調査結果が西部地域の投票時間に報道され、選挙に影響を及ぼしたという論争も起きている。

 投票を終えて出てきた有権者を対象にするという点で、当然ながら出口調査は世論調査よりも正確になる。ところが出口調査にも、事前投票という変数が生じた。事前投票者を対象に調査をすることはできないからだ。そのため、事前投票者が投票者全体のほぼ半分に迫る今回の韓国大統領選でも出口調査が正確かどうか、疑問があった。だが、あらかじめ行われた電話調査で事前投票者の投票状況を把握し、ここに選挙管理委が提供した事前投票者の年齢・性別などの変数を加味して予測したものが的中した。

 韓国大統領選挙の出口調査は1997年が初めてだが、これまで当選予測が外れたことは1回もない。今回ほどではないが、得票率も同じように当ててきた。2017年大統領選挙の出口調査では、文在寅(ムン・ジェイン)、洪準杓(ホン・ジュンピョ)、安哲秀(アン・チョルス)候補についてそれぞれ41.4%、23.3%、21.8%の得票を予測した。最終得票率はそれぞれ41.08%、24.03%、21.41%だった。ただし、韓国国内およそ250の選挙区で当選者を当てなければならない総選挙では、しばしば予測を外した。1996年の総選挙から2012年まで5回連続で、予測議席数と実際の結果が違っていた。出口調査では勝っていたのに実際の開票では負け続けた候補に「出口調査多選議員」という別名が付いたこともあった。

 今回の韓国大統領選挙では事前投票分を先に開票し、序盤では李在明候補が大きくリードした。だが時間がたつにつれ、出口調査と同じ数値に近づいていった。双方の支持者が冷や冷やしながら、未明まで続くこの過程を見守らなければならなかった。大統領選挙の出口調査と世論調査、どちらがより正確かという競争は、またも出口調査の圧勝に終わった。

チェ・スンヒョン論説委員

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