現代自動車、日本が掌握するインドネシア市場をEVで攻略へ

 現代自動車が、今月16日にインドネシアで現地工場の竣工式を開き、東南アジア市場の攻略を本格化させる。現在、東南アジアの自動車市場は日本メーカーが掌握しているが、IONIQ5など電気自動車を前面に押し出し、先んじて市場をつかもうという計画だ。このために現代自は、現地ディーラー網の構築もスピードアップしている。

【写真】現代自動車のインドネシア現地生産初モデル「クレタ」1号車出庫記念式典

 インドネシア現代自工場は、首都ジャカルタから東へおよそ40キロ離れたブカシ市(Bekasi)のデルタマス(Delta Mas)工業団地内に置かれている。この工場は、現代自にとって東南アジア初の自動車生産工場で、今年から量産を始めた。現在、現地戦略型モデルのクレタを生産しており、竣工式を起点としてIONIQ5も量産を始める予定だ。今回の竣工式には、現代自グループの鄭義宣(チョン・イソン)会長とインドネシアのジョコ・ウィドド大統領が出席するといわれている。

 現代自は、この工場の生産能力を今後年産25万台にまで拡大する計画だ。現代自がインドネシアを生産基地にするのは、インドネシアは年間100万台の自動車が売れる東南アジア最大の自動車市場にして、かつ世界で14番目に多くの自動車を生産している国だからだ。

 これまで東南アジアは日本の自動車メーカーが掌握してきたため、世界の自動車メーカーにとって容易な市場ではない。インドネシアで日本ブランドの市場シェアは90%に迫る。

 現代自は、日本ブランドが相対的に弱い電気自動車を新興市場に販売すれば勝算はあるとみて、インドネシアをはじめ東南アジアで販売量を増やす目標を立てた。電気自動車の販売量だけで見れば、昨年現代自はインドネシアで電気自動車693台を売り、市場シェアは87.3%に達した。内訳は、コナEVが366台、IONIQ EVが239台などとなっている。

 現代自は、インドネシア工場で生産される電気自動車をフィリピン、タイ、ベトナムなどASEAN(東南アジア諸国連合)域内へ輸出し、オーストラリア・中東などへの輸出も検討している。インドネシアに戦略的橋頭堡(ほ)を築いた後、成長潜在力が高いASEAN市場へ本格的に進出しようというわけだ。

 現代自はインドネシア現地ディーラー網の構築も急いでいる。現在、現代自のインドネシアにおけるディーラー網はスマトラ、パプアなど国内およそ40の都市に広がっている。販売店は、昨年9月の全国およそ50店舗水準から、現在はおよそ100店舗へと大幅に増えた。また、オンライン販売プラットフォーム「クリック・トゥー・バイ」を導入することで、全ての製品群を見て購入できるようにし、試乗の予約や車のオーダーも可能にした。

ピョン・ジヒ記者

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  • ▲現代自動車インドネシア工場。/写真=現代自動車提供
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