「現代自アイオニック5は期待以上、トヨタは奮起すべき」…日本で韓国車再評価

 現代自動車が12年ぶりに日本に再進出するのに際して発表した初の電気自動車(EV)「アイオニック5」が日本で肯定的な評価を受けている。日本メディアとユーチューバーの多くがアイオニック5に試乗後、デザインや走行性能など多くの部分について「期待以上」だと評価した。韓国ブランドを選択することに消極的だった日本市場で現代自が再評価されるのではないかとの見方が出ている。

【写真】ドイツでも高評価相次ぐ現代自動車アイオニック5

 現代自は5月から「アイオニック5」と水素燃料電池車「ネクソ」を日本で販売する。それを控え、現代自は最近、日本のメディアやインフルエンサーを通じた商品宣伝を開始した。

 日本の自動車専門誌「ベストカー」は、アイオニック5とトヨタ初の量産型EV「bZ4X(ビーズィーフォーエックス)」を比較し、「アイオニック5の圧勝」と評した。両モデルはバッテリー容量と充電1回当たりの航続距離は似ているが、室内空間と走行性能では大きな差があるとした。ベストカーは「日本の消費者は韓国車を選ぶことをためらうだろうが、欧州人なら当然アイオニック5を購入するはずだ」と指摘した。

 ベストカーはまず、アイオニック5のホイールベース(軸距)がbZ4Xより150ミリ長い点を挙げた。内燃機関車のプラットフォームで開発されたbZ4Xとは違い、アイオニック5はEV専用のプラットフォームで開発され、センターコンソール(運転席と助手席の間の箱状の物入れ)がなく、室内空間を活用しやすい。加速性能もアイオニック5がbZ4Xを上回っている。停止状態から時速100キロまで加速するのにbZ4Xは7.7秒かかるが、アイオニック5は5.2秒、最高速度もbZ4Xは160キロ、アイオニック5は185キロだ。

 ベストカーは「旋回力やハンドリングなどアイオニック5は走行感が優れているが、bZ4Xは加速時に微細に感じられる振動のため、走行感が日産や現代自に劣る」とし、「アイオニック5は500万円以上のモデルと競合するほど商品性が高い」と評価した。さらに、「EVは耐久性や信頼性より性能が重要なため、トヨタの強みを強調するのは難しい。新しい時代にトヨタの挑戦が必要だ」と付け加えた。

 別の自動車専門誌「オートカー」は「アイオニック5」の内装や外観が欧州の感性に基づいており、デザインは欧州車と比べても遜色がない」と評した。男性向けファッション・カルチャー雑誌「GQ JAPAN」は「アイオニック5が欧州市場で旋風を巻き起こしていることを紹介し、「走行性能に満足でき、デザインの要素でも優れている」と指摘した。 自動車情報サイト「Car Watch」は「アイオニック5の革新的なパッケージングと先進性に圧倒された。細やかな仕様設定にも驚かされる」とした。

 登録者が43万人以上のユーチューブチャンネル「E-カーライフ」でモータージャーナリストの五味康隆氏はアイオニック5のデザインと走行性能をレビューする動画を投稿し、内装と外観のデザインと実用性だけでなく、走行性能についても肯定的に評価した。五味氏は「アイオニック5の完成度は世界最高水準だ。日本メーカーは頑張ってほしい」と語った。

 関連記事や映像へのコメントを見ると、日本消費者の反応もとても真剣だ。嫌韓情緒のため否定的な反応が多いが、現代車の再挑戦がEV転換に消極的な日本の自動車メーカーの刺激になってほしいという意見が多かった。

 ただ、肯定的な評価が実際の購入につながるかどうかは今後を見守る必要がある。業界関係者は「日本で韓国車が再評価される雰囲気は感じられる、依然として『敢えて韓国製品を買う必要があるのか』という認識が強い」とし、「再進出の成果は結局のところ、販売実績で証明しなければならない」と指摘した。

ヨン・ソンオク記者

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  • ▲現代自動車は今年2月、日本の乗用車市場への再進出を宣言し、「アイオニック5」を発表した。/現代自動車提供

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