【3月18日付社説】韓国で一日死亡者400人超えても防疫措置緩和を連呼、理由が聞きたい

 17日午前0時時点の集計で、新型コロナウイルスの一日新規感染者数は62万1328人、死亡者数は429人と激増した。韓国の防疫当局が前日あるいは最近の集計漏れの分を追加したためだが、16日と17日の二日間で感染者は100万人を超え、死亡者は600人近くになった。前例のない感染者と死亡者が発生しているのだ。重症者数と死亡者数は2-3週間の時差を置いて感染者数に従って増えるため、今月末には死亡者数が現在の約2倍になる可能性が高い。既に各葬儀場では遺体を安置する所が足りず、実に深刻な問題となっている。

【グラフ】韓国の平均死者数の推移

 こうした状況にもかかわらず、防疫当局は「防疫措置を緩和する」と繰り返し言っている。今月に入って防疫パスを全面的に取りやめ、私的な集まりの制限を緩和したのに続き、20日からはソーシャルディスタンス措置をさらに緩める案について協議している。金富謙(キム・ブギョム)首相は1級感染症である新型コロナの等級を緩和する案を話し合ってほしいと言い、21日からはワクチン接種を完了した海外からの入国者に対して隔離措置を免除することにした。防疫担当者らは連日、「オミクロン株の死亡率は0.1%以下で、季節性インフルエンザの死亡率(0.05-0.1%)とほぼ同じ水準になった」という話を繰り返している。防疫を放棄したというような程度ではなく、感染をあおっているようにも見える。全国民が2年以上も予防に努めて耐えてきたのに、何を焦って防疫措置を解除しようとしているのだろうか。

 専門家らは、政府が感染させるだけ感染させて、最後に一度流行させて終わりにするという方向に設定しているようだ、と考えている。「防疫措置を緩和するにしても、少なくともほかの主要国のようにピークが過ぎたのを確認してからでも遅くない」といくら言っても馬耳東風だ。主要国の中で防疫・感染防止をこのようにしている国はない。国民をさらに不安がらせているのは、政府の予測が何度も外れていることだ。防疫当局者は16日に「一日新規感染者数は多くて40万人台半ばまで行く可能性がある」と言ったが、その後すぐに感染者は60万人台になった。

 先行きが不透明なら安全な道を選ぶのが常識なのに、防疫当局は冒険することを選び、今もブレーキではなくアクセルを踏んでいる。責任感のある当局者が出て、率直に防疫の方向性を示し、その理由を明確に説明する必要がある。そして、結果に対してもはっきりと責任を取らなければならない。

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