韓国のバレエ教室、受講生の半分は中高年女性…「若さと女性らしさを取り戻せたみたいでうれしい」

 「片脚をしっかり伸ばして反対の脚を後ろにそらしてください! わあ、お母さんたち少しお疲れのようですか? 頑張りましょう。それ!」

 2月21日午後5時30分、ソウル新村のある舞踊芸術センターを取材した。初級バレエ教室が行われているこのセンターの受講生16人のうち8人は白髪の中高年女性だ。両手でバーをつかみながらインストラクターの掛け声に合わせて動作を繰り返していたある受講生は重心を取るのが難しいのか、バランスを崩しそうになった。受講生のチョンさん(67)は「バレエのレオタードを着て手足を伸ばすと若い頃に戻ったようでワクワクする。体が続けば70歳までバレエを続けるつもりだ」と語る。

 韓国の中高年女性の間でバレエが人気だ。子供の頃の夢だったバレエに挑戦する70代集配員のエピソードを扱ったドラマが昨年中高年の間で話題になったこともあり、バレエをしながら若い頃を思い出すという声が広がっているのだ。8カ月前からバレエを習っているというチェ・ウンスクさん(61)は「最初にレオタードを着たときは年寄りには似合わないようで恥ずかしかったが、着続けていると忘れていた女性らしさや若さを取り戻せたようでうれしくなった」と述べた。16年にわたりバレエのインストラクターを続けるソ・ヒョンアさん(36)は「最近の初級コースは受講生の半分以上が中年」「今からでもバレエを習いたいと勇気を出してやって来た方々の情熱的な姿にいつも驚いている」と語る。

 シニアだけを対象とするバレエ教室もできた。江原道江陵市では今年1-2月の毎週水曜日に無料のシニアバレエ講習が行われた。受講生の平均年齢は78歳。この教室にやって来る受講生のほとんどが一人暮らしだ。受講生のチェ・キョンスンさん(83)は「おばあさんたちが集まって何がそんなに面白いのか分からないが、動作をまねするたびに笑みがこぼれる」と語った。キム・オクチャさん(78)は「この年でバレエをするとは思いもしなかった」「最初は骨も言うことを聞かない80歳の老人になるんだなあと考えていたが、私より高齢のお姉さんたちも頑張って指導を受けている」と笑顔で話してくれた。昨年ソウルからやって来て江陵でバレエ教室をオープンしたホン・ジヒョン院長は「高齢の方々も思ったよりうまくできるので驚いている」「今はコロナの影響でしばらく休んでいるが、今年中にシニアのバレエ団を立ち上げる計画」と述べた。

イ・ヘイン記者

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  • ▲江陵市内のバレエスタジオで講習を受ける受講生たち。片脚を上げてバレエの練習をしている。/Hバレエ

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