飲酒当て逃げの元大リーガー姜正浩、こっそり韓国球界復帰

飲酒当て逃げの元大リーガー姜正浩、こっそり韓国球界復帰

 飲酒運転をして事故を起こし、事実上の引退となるかと思われた元米大リーガーの姜正浩(カン・ジョンホ、34)が韓国プロ野球界に復帰することになった。

 韓国のプロ野球球団キウム・ヒーローズは「姜正浩と17日、最低年俸(3000万ウォン=約300万円)で2022シーズンの選手契約を締結した」「18日午前、韓国野球委員会(KBO)に、姜正浩に対する任意契約解除(任意脱退)復帰承認を要請した」と明らかにした。KBOは来週、キウムの要請を承認する見通しだ。

 キウムは積極的に今回の「復帰」を後押しした。コ・ヒョンウク・ゼネラルマネージャー(GM、50)は米国にいる姜正浩と先週3回電話で話し、迎え入れる意思があることを伝えた。コ・ヒョンウクGMは「野球界の先輩として姜正浩に野球人生を終える最後のチャンスを与えたかった」「野球選手がグラウンドに立つことができないことほど大きな懲戒処分はないと思う。時間が経ったのでファンも許してほしい」と語った。

 姜正浩は、大リーガーだった2016年12月、ソウルで飲酒運転して当て逃げ事故を起こし、身代わりを出頭させた。警察の捜査の結果、それまでにも飲酒運転で摘発されたことが2回(2009年と2011年)あったことが分かった。「三振アウト制」の対象者となった姜正浩に裁判所は懲役8月、執行猶予2年を言い渡した。この判決により姜正浩は米国就労ビザの発行を拒否されて2年間米国に行けなくなり、結局2019年にピッツバーグ・パイレーツを解雇された。姜正浩は米大リーグ時代、パイレーツに所属した4シーズンで通算打率2割3分9厘、46本塁打、144打点を記録した。

 姜正浩は翌2020年、韓国リーグ復帰を打診した。KBOはこの時、賞罰委員会を開き、懲戒処分(有期失格1年、奉仕活動300時間)を下した。だが、ファンの反発はこれよりも厳しかった。3回の飲酒運転に当て逃げ事故まで起こしたのにもかかわらず、「野球で報いる」と安易に対応した姜正浩の態度を非難した。

 姜正浩は記者会見を開き、年俸の寄付や社会奉仕などを公約として掲げたが、世論が見向きもしなかったため、復帰をあきらめた。2回目の復帰の試みとなる今回は球団と契約を極秘裏に済ませ、メディアに知らせた。1年の有期失格という懲戒処分があるため、実際にグラウンドに立てるようになるのは来年以降だ。

 韓国プロ野球は昨年、新型コロナ感染防止指針に違反した飲酒問題によるリーグ中止や、東京五輪のメダル獲得失敗などで批判を浴びた。こうした状況で、飲酒運転・当て逃げにより物議を醸した姜正浩がこっそり復帰することになったため、ファンの反応は冷ややかだ。キウムは「前科」を持つ選手に甘いという声もある。キウムに今季入団した新外国人選手ヤシエル・プイグ(31)は米大リーグ時代に飲酒運転、家庭内暴力、性的暴行などで起訴されたことがある。キウムは米国の複数の球団が避けていた厄介者を100万ドル(約1億2000万円)で連れてきたのだ。キウムは昨年、新型コロナ感染防止指針に違反し、外部の女性たちと酒宴をして物議を醸した投手・ 韓賢熙(ハン・ヒョンヒ、28)と 安右進(アン・ウジン、22)をかばい続けた。しかし、実力がやや劣る外野手ソン・ウヒョン(25)が昨年、飲酒運転で初めて摘発されると、すぐに放出してしまった。ファンらは「キウムは戦力を補強しようという欲から、姜正浩の過ちに目をつぶろうとしている」と反発している。

ヤン・ジヘ記者

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