原材料不足で大騒ぎしているのに…「積弊」扱いされて売却される韓国保有の海外鉱山(上)

 李明博(イ・ミョンバク)政権の「資源外交」を積弊扱いし、海外鉱山売却を推進していた文在寅(ムン・ジェイン)政権は、最近の原材料価格の高騰を受け、売却作業の中断を指示したものの、中断も容易ではない状況だ。昨年改正された韓国鉱害鉱業公団(鉱害公団)設立法によって、公団は海外資源開発を中断しなければならないため、保有権益の売却を中断するためには法律を再改正する必要があるからだ。

 また、鉱山権益の売却は民間委員で構成された委員会が決定する事項であり、売却中止が最終決定されるかどうかも不透明だ。業界では資源安全保障の重要性がいつになく高まっているだけに、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権が鉱害公団設立法を再改正し、保有鉱山権益の売却を原点に立ち戻って再検討すべきだという指摘が出ている。

 関連業界によると、鉱害公団は保有鉱山権益の処分に向け、民間の専門家が加わる海外資産管理委員会を発足させ、最近になって売却業務を韓国資産管理公社(KAMCO)に委託した。

 鉱害公団は李明博政権当時に海外資源の開発に乗り出したが、朴槿恵(パク・クンヘ)政権と文在寅政権は、資源外交を失敗と規定し、支援が中断された。その後は折り悪く原材料価格が急落し、損失が膨らんだ。文在寅政権は2017年、民間の専門家で構成する「海外資源開発革新タスクフォース(TF)」を立ち上げ、翌年には鉱害公団が所有する26件の海外資産を全て売却することを決めた。このうち11件は売却が完了した。現在は▲マダガスカル・アンバトビーのニッケル・コバルト鉱山▲メキシコ・ボレオ銅鉱山▲パナマ・コブレパナマ銅鉱山▲オーストラリア・ワイオン炭鉱--などの資産売却が進められている。

 しかし、コロナなどの影響で原材料価格が高騰すると、文在寅大統領は3月14日、対外経済安保戦略会議で売却手続きが進んでいる海外鉱山に関する再検討を指示した。

 海外資産の売却を中断するためには、経なければならない手続きが多い。昨年3月、国会は鉱害公団設立法を改正し、公団の業務範囲から「海外資源開発事業」を除外した。このため、鉱害公団が海外鉱山を引き続き経営するためには、法律の再改正が必要になる。

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連フォト
1 / 1

left

  • ▲韓国鉱物資源公社が建設したマダガスカル・アンバトビーのニッケル鉱山開発総合施設

right

あわせて読みたい