【3月29日付社説】38カ月もみ消し続けた「産業部ブラックリスト」捜査、文検察の犯罪行為

 韓国検察が産業通商資源部の「ブラックリスト」事件に関連し、同部などを家宅捜索している。事件の告発があってから38カ月たってようやくまともな捜査が始まった。被害事実が明確で、処罰の前例があるにもかかわらず、これほど長期間捜査が遅れた例は見つからない。問題の事件は文在寅(ムン・ジェイン)政権発足直後の2017年9月、産業通商資源部の局長級幹部が任命した韓国電力公社傘下の発電会社4社の社長に辞表提出を強要したとされるものだ。発電会社の社長らは任期を2年前後残し、全員が辞任し、19年5月に検察の捜査で「産業通商資源部の局長から辞表を強要された事実がある」と当時の状況を具体的に証言したという。

 産業通商資源部のブラックリストは既に有罪が確定した環境部のブラックリスト事件と同様の事件だ。環境部の場合も前政権が任命した傘下機関の役員に圧力をかけ、辞表を提出させた。青瓦台とは随時報告と指示が交わされていた。環境部のブラックリスト事件で容疑者が起訴され、裁判が行われる事態となると、文在寅政権は産業通商資源部のブラックリストにも積極的に手を打ち始めた。まず、環境部のブラックリスト事件を起訴したソウル東部地検の捜査チームに人事上の不利益を与えた。地検長と部長検事は辞表を出し、捜査担当の検事は左遷された。文在寅政権は既に政権寄りの検事にソウル東部地検を委ねた。その一部は産業通商資源部のブラックリスト事件で捜査チームに露骨に捜査中断を求めたことが分かっている。

 文在寅政権のブラックリスト事件はキム・テウ元青瓦台特別監察班捜査官の告発で浮上した。青瓦台特別監査班長が「現政権のためにポストを確保しなければならない」として、330の公共機関の役員リストを作成するよう指示したとの内容だった。産業通商資源部、環境部だけでなく、首相室、企画財政部、法務部、教育部、報勲処の傘下機関、科学界でも同様のことが行われた。捜査と裁判で動かぬ証拠が相次いで示されたが、文在寅政権は「ブラックリストではななく、チェックリストだ」「我々には査察のDNA自体がない」などとしらを切った。

 文在寅政権は前政権の文化系ブラックリストを代表的な積弊として追及し、前任大統領、青瓦台秘書室長、閣僚や次官ら数十人が有罪判決を受けた。その一方で、自分たちが犯したブラックリスト事件はもみ消した。これほど明らかな事件を3年以上もみ消した検察の行為もまた犯罪行為だと呼んで当然だ。

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