物議醸した文在寅大統領夫人のノルウェー訪問、有名美術館2カ所も楽しんでいた(下)

 そうした状況で、大統領夫妻が出席取りやめの発表を翌日に覆し、K-POP公演を観覧した理由を説明した記事は見当たらなかった。訪問前にノルウェー側が送ってきた日程案にはK-POP公演の代わりに「韓国・ノルウェービジネスフォーラム」が含まれていた。訪問には飲食デリバリーアプリ企業「配達の民族」と宿泊プラットホーム企業「ヤノルジャ」など100社以上のスタートアップ企業とベンチャー投資会社の関係者が「経済使節団」という名目で文大統領に同行した。

【写真】文大統領夫人、単独で印タージマハル訪問

 その上、金正淑氏のノルウェーでの日程には歴代ファーストレディーが海外歴訪中に行ってきた▲公館職員の夫人激励▲韓国語学校関係者との面会▲現地養子縁組児童の激励--などが含まれなかった。

■コロナ下でも…金正淑氏、歴代ファーストレディーで訪問国最多

 チョソン・ドット・コムが青瓦台の公開資料を確認した結果、金正淑氏は建国以来歴代の大統領夫人で最も海外訪問に出かけたことが分かった。訪問回数は計28回、45カ国(重複含む)だった。 新型コロナの流行が2年間続く中でも、李明博(イ・ミョンバク)元大統領夫人の金潤玉(キム・ユンオク)氏と回数で並び、訪問国数では単独1位だ。

 夫の文在寅大統領はこれまで4年10カ月の在任中に30回の海外訪問を行ったが、金正淑氏が同行しなかったのは3回だけだった。3回は日帰りの日本訪問、2日間の中国訪問、5日間の米ワシントン訪問だった。一方、金正淑氏は単独でインドを一度訪れ、タージマハル訪問で物議を醸した。

 さらに、青瓦台がコラムニスト南禎鎬氏との訴訟の過程で提出した資料を見ると、「金正淑氏の海外訪問は観光の性格が強いのではないか」とする疑惑を裏付ける内容が登場する。その資料にはコラム掲載時点の19年6月までの訪問記録だけが記載されている。

 まず、現地公館職員の夫人を激励するための懇談会の回数だ。金潤玉氏は28回の歴訪に同行し、うち18回の懇談会を開いた。盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領夫人の権良淑(クォン・ヤンスク)氏は26回の歴訪で17回開いた。金正淑氏は19年6月までに20回の海外訪問を行ったが、公館職員夫人への激励懇談会は3回だけだった。

 李姫鎬氏の場合は公館職員の夫人との懇談会ではなく、社会奉仕や福祉に関連する日程が圧倒的に多かった。ドイツの子ども専門病院、インドネシアの障害児童福祉施設、フィリピンの社会福祉施設、中国の聴力障害者リハビリ施設の訪問、デンマークとノルウェーでの養子縁組韓国人児童面会などが計23回だった。現地の韓国学校、韓国語学校の関係者との会見も含めた数字だ。

 コラムニスト南禎鎬氏は今月初めに出版した「金正淑バケットリストの真実」で、「夫と離れプライベートの時間ができさえすれば、現地韓国人を激励しようした前任大統領の夫人らとは異なり、金正淑氏は合間さえあれば美術館、博物館に出かけるか、海外の名勝地を回った」と指摘した。この本は南氏がコラムを執筆し、それによって青瓦台に提訴され、勝訴するまでの過程を整理した内容だ。

張祥鎮(チャン・サンジン)記者

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  • ▲金正淑氏が2019年6月、北欧を歴訪した際の様子。スウェーデンのシルビア王妃と共に馬車に乗り、ストックホルム市内を移動している。/NEWSIS
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