文在寅(ムン・ジェイン)政権任期末の公共機関における人事問題に続き、最近は韓国与党・共に民主党出身の青瓦台(韓国大統領府)スタッフらが相次いで民間企業に再就職していることが分かり、問題が指摘されている。公職者が民間企業などに再就職する場合、政府公職者倫理委員会による「就業可能審査」を受けねばならないが、「公職倫理委は青瓦台の元スタッフには特に寛大だ」との指摘が相次いでいるのだ。
公職者倫理委員会が31日に公表した「退職した公職者を対象とする就業審査の結果」によると、青瓦台大統領秘書室別定職(特別職)3級相当を今年1月に退職したA氏は先日、ネット通販大手クーパン専務への転職について「可能」との審査結果が下された。青瓦台で2級相当の専任行政官を務め、その後退職したB氏は防弾少年団(BTS)が所属するエンターテインメント企業「HYBE」への転職が可能との審査結果が3月初めに出された。B氏は青瓦台国政状況室や政務首席室などで勤務し、今年1月に退職していた。B氏はHYBEで「アーティスト開発総括」を担当するという。A氏もB氏も青瓦台に勤務する前は共に民主党議員室の補佐陣として働いていた。
公職者倫理委員会の就業可能審査は退職前の5年間を対象に、その間所属していた部署や機関の業務と就職先との関係がチェックされる。ただし政府部処(省庁)の業務を総括・指揮する青瓦台の特性を考えると「たとえ民間企業であっても業務とは関係がないと言えるか」との批判が相次いでいる。「公職者倫理委員会は元青瓦台スタッフの業務関連性をあまりにも狭く設定しているのでは」ということだ。
韓国の保守系野党・国民の力の李周桓(イ・ジュファン)議員が今年1月に人事革新処の資料に基づいて公開した報告書「最近5年間の青瓦台退職者に対する就業審査の現況」によると、2017年6月から昨年末までに公職者倫理委員会の就業審査を受けた青瓦台の元スタッフ65人のうち、61人(93.8%)は「可能」との判断が下された。一般の政府部処退職者の通過率(82.9%)よりも10ポイント以上高かったのだ。61人中26人は民間企業に再就職したが、その就職先にはCJ大韓通運の部長、ネットマーブルの常務、メリッツ金融持ち株の常務などがあった。
青瓦台は2019年4月に「青瓦台(のスタッフ)は公企業だけでなく民間企業にも天下りしている」との批判を受けた際、公職を終え再就職するスタッフに「就職コンサルティングを行う」と説明した。それが今回再び民間企業への天下りが問題となったことを受け、国民の力は「落下傘や特恵をチェックするという約束が守られていない」と批判した。
パク・サンギ記者