韓国大統領選に共に民主党から出馬して敗れた李在明(イ・ジェミョン)元京畿道知事の妻、キム・ヘギョン氏が京畿道の公務用クレジットカードを私的に流用したとされる疑惑の情報提供者である京畿道庁の元秘書室職員A氏は4日、「投票する国民の知る権利のために告発した」と語った。A氏はユーチューブのチャンネル「バックブリーフィング」との電話インタビューで、「道庁で勤務していた当時は自分の仕事が間違っていることに気づかなかったが、失業状態でニュースを見て違法であることを知った」と述べた。 その上で、「うそをついた人物が大統領になってはいけないと思った」とも語った。A氏は顔は公開しなかったが、声は音声を変えずに放送された。
A氏は今年2月、京畿道の元秘書官B氏の指示で、京畿道の公務用クレジットカードですしや牛肉などを購入し、キム・ヘギョン氏の自宅に配達したほか、同氏の薬の代理処方も受けたと暴露した。
国民の力は、A氏による暴露後の今年2月11日、「キム・ヘギョン氏は食料の配達や家事など個人的な用事に公務員を動員し、個人の飲食代を京畿道の公務用クレジットカードで決済したり、他人名義で違法な処方せんを発行させたりした疑惑がある」とし、李在明元知事、キム・ヘギョン氏、B氏らを告発した。告発容疑は職権乱用、強要、医療法違反、虚偽公文書作成および行使、国庫損失、業務妨害、証拠隠滅などだった。 張永河(チャン・ヨンハ)弁護士も今年2月3日、疑惑に関連し、李在明元知事、キム・ヘギョン氏、B氏を国庫損失と医療法違反などの疑いで告発した。
A氏は今回のインタビューで、「情報提供後に不安が高まり、パニック障害とうつの診断を受けた。薬物治療とカウンセリング治療を並行して受けている」と明かした。また、「情報提供の過程で民主党の政治家が二次加害に及び、李在明氏の支持者が私と家族に対し、倫理に反するような発言をした際には、情報提供も人生も諦めたかった」と語った。A氏は「悪質な書き込みに対する責任は追及する」と付け加えた。
京畿南部警察庁反腐敗捜査隊は同日、京畿道総務課、調査担当官室、医務室などに対し、約10時間にわたる家宅捜索を行った。対象にはB氏がキム・ヘギョン氏個人のために使用した公務用クレジットカードを管理・使用し、予算を執行した部署、薬品代理処方疑惑に関連する部署が含まれている。しかし、重要人物であるB氏やキム・ヘギョン氏自身および自宅は対象に含まれなかった。
これに先立ち、京畿南部警察庁は大統領選後の3月14日、告発人の張永河弁護士の聴取を行った。京畿道も先月25日、B氏を横領と業務上背任の疑いで京畿南部警察庁に告発した。京畿道は2月初めに監査に着手したが、退職して民間人の身分のB氏は京畿道が発送した質問書に答えないなど、監査に協力しなかったという。
京畿南部警察庁のチェ·スンリョル庁長は記者懇談会で、「告発内容を中心に捜査を進め、追加される部分も確認することになる」とした上で、「キム・ヘギョン氏を最後に取り調べることになるとみられる」と述べた。 李在明氏を取り調べるかどうかについては、「捜査の進行過程によって決まる」とした。
A氏はインタビューで、「国民の一人として(家宅捜索を)見守った。まだ警察の聴取は受けておらず調整中だ」と語った。
権祥銀(クォン・サンウン)記者、イ・ジョング記者