【4月7日付社説】「大学の権力従属性」を示した釜山大、遅きに失したチョ・グク氏娘入学取り消し措置

 釜山大が5日、チョ・グク元法務部長官の娘、チョ・ミン氏の2015年の同校医学専門大学院への入学を取り消す決定を下した。チョ・ミン氏の入試不正疑惑が浮上してから2年7カ月、同校が昨年8月に入学銓衡(選考)公正管理委員会による独自調査を経て、入学取り消しの予備行政処分を下してから8カ月を要した。

 釜山大が5日、チョ・グク元法務部長官の娘、チョ・ミン氏の2015年の同校医学専門大学院への入学を取り消す決定を下した。チョ・ミン氏の入試不正疑惑が浮上してから2年7カ月、同校が昨年8月に入学銓衡(選考)公正管理委員会による独自調査を経て、入学取り消しの予備行政処分を下してから8カ月を要した。

 チョ氏の医学専門大学院入学を取り消すかどうかは、これほど先延ばしすべき案件ではなかった。既にチョ・グク元長官の妻、チョン・ギョンシム教授は2020年12月の一審で娘に対する東洋大総長賞をはじめとする書類4点を偽造または虚偽提出した事実が認められ、懲役4年の判決を受け、昨年8月の控訴審でも同様の判決が出ている。裁判所は「経歴偽造が確認されていたら、医学専門大学院の入試に落ちていたはずだ」と指摘した。チョ・ミン氏が受験した15年の医学専門大学院の新入生募集要綱には「不正な方法で入学した事実が見つかった場合、卒業後にあっても学籍抹消措置を取る」と書かれていた。しかし、釜山大は当事者の聴聞手続きを昨年12月にようやく始めるなど、これまで時間を引き延ばしてきた。

 そんな釜山大は大統領選の結果が出てから26日後、入学取り消しの決定を下した。今後どちらが権力を握るのかを見守ろうと顔色をうかがっていたのだ。その間、チョ・ミン氏は医学専門大学院卒業クラスの進級試験で2回も不合格となったにもかかわらず、救済を受け、昨年1月、医師国家試験に合格し、医師資格を得た。その医師免許で韓国電力公社傘下の病院でインターンとして勤務してきた。

 釜山大による遅きに失した入学取り消し決定は、大学がどれほど権力の顔色をうかがう存在なのかを如実に示している。政権ににらまれれば、教育部が交付するさまざまな研究支援金が途絶え、大学財政が一瞬にして揺らぐことになる。政府の支援金なしには存立できないほど財政基盤が弱いからだ。

 大学が権力の顔色をうかがい、明らかに下されるべき決定にさえ独自の判断を下すことができなければ、そんな大学を知性の集団として認めることができない。1カ月後に発足する新政権もこびへつらう大学の上に君臨しようとするならば、大学社会は変わらないだろう。尹錫烈(ユン・ソクヨル)政権は、大学が自主的判断に基づき、自ら運命を切り開き、競争力を備えることができるように大学支援金配分制度から改革しなければならない。

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