法興寺跡の礎石に腰掛けた文大統領夫妻…仏教博物館長「惨たんたる思い」

曹渓宗僧侶「文化財庁長が何も言わなかったのは理解しがたい」

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領と金正淑(キム・ジョンスク)夫人が、青瓦台(大統領府)の裏にあるソウル・北岳山の南側探訪路開放を記念して山歩きをした際、法興寺跡(推定)の蓮華紋の礎石の上に座っている写真が公開され、物議を醸している。文化財庁の庁長が文大統領夫妻に同行したが、礎石の上に座るのを止めなかった。

 これは、仏教界の報道機関「法宝新聞」が6日、「大雄殿の礎石に座った文大統領夫妻…『青瓦台 文化遺産の認識水準 惨たん』」という見出しの記事の中で、「しかも、この写真は青瓦台が直接配布したものと言われ、青瓦台の仏教文化遺産に対する認識に批判が高まっている」と報じたものだ。

 文大統領夫妻は5日、山歩きで法興寺と推定される寺の跡地に到着した後、蓮華紋の礎石に座り、同行した文化財庁の金現模(キム・ヒョンモ)庁長と法興寺について会話を交わした。

 文大統領は「解放(1945年の日本による植民地支配からの解放)後、遺跡が残っている場所を再建しようと準備が進められていたが、『金新朝(キム・シンジョ)事件』(1968年の青瓦台襲撃未遂事件)によって(そうした)開放された場所がすべて閉鎖され、その副資材が残ったのでしょう」と言った。この言葉に、金現模庁長は「口伝では、これは新羅時代までさかのぼるもののため、私どもが専門発掘調査をすれば、そうした証拠が出てくるものと期待しております」と答えた。

 仏教中央博物館館長で僧侶のタンタン師は法宝新聞とのインタビューで、「写真を見て、惨たんたる思いだ」「聖宝に対する気持ちがどんなものか、この写真が示しているようだ」と語った。

 タンタン師はまた、「『大統領が伝統文化をこのように軽く扱うことが一般の人々に対して否定的な影響を与える』ということに、なぜ考えが及ばないのか」「(カトリック教徒の)大統領夫妻も信仰心に篤(あつ)いと言われているが、自身が信じる宗教の聖なる物に対してもこのように扱っただろうか」と言った。

 韓国仏教最大宗派である曹渓宗の総務院文化部長を務める僧侶のソンゴン師は「もし文大統領夫妻が知らなかったとしても、文化財庁長がそれを見ていながら何も言わなかったというのは理解しがたい行動だ」と指摘した。

キム・ミョンイル記者

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  • ▲5日午後、北岳山南側の探訪路にある法興寺跡で、文化財庁の金現模(キム・ヒョンモ)庁長から説明を聞く文在寅(ムン・ジェイン)大統領夫妻。写真=聯合ニュース

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